「離婚した男性」の自殺はなぜこんなに多いのか

失業・離婚と自殺率の関係を分析してみた

なぜ、平成に入り、男性の自殺だけが急激に増えたのでしょうか?

男性の自殺と失業率との間には強い相関があります。つまり、失業率が高いほど自殺率も高くなるということです。男女別に自殺率と完全失業率との相関を1960年から2017年までを比較してみました。

自殺と失業の関係

ご覧のとおり、男性の相関係数は、0.9368と最大値の1に限りなく近い、強い正の相関があります。1960年から2017年までの男性の平均完全失業率は2.9%ですが、男性の自殺者が年間2万人超だった1998年からの14年間の平均失業率は、4.8%と突出しています。一方、女性は、-0.1756とほぼ相関がないといっていいでしょう。女性の自殺は、失業とは無関係なのです。

幸いにも、近年の失業率は男女とも下がり続けており、2018年12月の完全失業率(季節調整値)は、男性2.6%、女性2.3%と、好景気に沸いた1990年代前半と同等レベルになっています。ということは、今後男性の自殺は減少するのでしょうか?

しかし、そう簡単に片づけられるものではありません。自殺と相関にあるのは、失業率だけではありません。離婚率です。

1989(平成元)年以降2017年までの自殺率と離婚率の男女別相関をグラフ化してみました。これによれば、男性の相関係数は、0.9229と、強い正の相関が見られます。これは、失業率との相関係数とほぼ変わりません。

平成以前の昭和後半30年を抽出して調べたところ、自殺率と離婚率の相関は男性0.6584、女性は-0.3013となりました。女性の場合は、昭和時代はむしろ負の相関で、離婚が増えると自殺は減っていたわけです。

もちろん、これはあくまで相関関係にすぎず、因果関係ではありません。離婚が増えたから男の自殺が増えたとは結論付けられません。しかし、男性の平成年間の自殺と離婚の決定係数は0.85であり、これは、離婚率の変化で自殺率の変化の85%を説明できることを意味します。女性の決定係数は0.25であり、明らかに男性だけに強い傾向であることがわかります。

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