競馬GⅠシーズン到来、今年占う4つのポイント 藤田菜七子騎手は「フェブラリーS」初騎乗へ

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オジュウチョウサンは昨年の有馬記念を盛り上げた功労者だ。枠順公開抽選会では武豊騎手が中山2500m芝で有利な最内1番枠を引き当てて場内を沸かせた。スタート直後は逃げてもいいというような積極的なレースぶりで好位を追走し、4コーナーから直線にかけて一瞬伸びかける場面もあって見せ場をつくった。

結果は9着だったが武豊騎手は「スタートがよければ先手を主張してもいいと思っていた。自分としてはやりたいレースができた」と振り返った。「馬場が悪くて走りにくそうだった。あれ以上下げて他馬に前に入られるのはいやだったのであの位置で行った」と先行策を説明。

「馬場が緩くてノメっていたが精神的に強いのか頑張ってくれた。最後は一瞬オッと期待を抱かせてくれる手応えだった。このメンバーを相手に立派だった。4コーナーでの走りは乗っていて感動した。障害の絶対王者が平地に挑んで、福島で勝って有馬記念にも出走した。ファンの後押しがあったからこその挑戦だった。結果は残念だったが今年の有馬記念はオジュウチョウサンが盛り上げてくれた。ナイストライだったと思う。平成最後の有馬記念はボクの記憶にも残るレースだった」と晴れやかな表情で語った。

あの夏の福島競馬から始まったドラマは終わった。ファンは引き上げてきたオジュウチョウサンに「ありがとうオジュウ」「よくやった」「お疲れ様」と声援を送った。

GⅠレースの売り上げはキタサンブラックのような固定的な売り上げを持つ馬が不在となったレース以外は極めて好調に推移した。アーモンドアイのようなスーパーホースが今年の国内のGⅠに出走するケースが少なくなるのはJRAの売り上げにとって痛いことは確かだろう。それでも競馬人気は続いている。今年も好調に推移するのではないか。

アーモンドアイには海外GⅠレース制覇を期待

アーモンドアイが海外で順調に勝ち進んで凱旋門賞挑戦が実現すれば、2016年に初めて国内で海外馬券を発売した凱旋門賞の41億8599万5100円の海外競馬国内発売の売り上げレコードを十分更新する期待も持てる。

一昨年の凱旋門賞は34億4333万6600円、昨年の凱旋門賞は24億7567万6900円だった。海外競馬の国内発売は徐々に落ち着いた形になっているが、昨年から「UMACAカード」を使ったキャッシュレスの「UMACA投票」でネット投票でしか購入できなかった海外競馬も競馬場で買えるようになった。JRAは今年の凱旋門賞前の8月までには全10競馬場でUMACAの投票を導入を完了する。今年の凱旋門賞は結果だけでなく売り上げも楽しみだ。

今年の中央競馬も見どころは満載だ。筆者は「アーモンドアイ」「ロードカナロア産駒」「藤田菜七子騎手」「海外を含めたGⅠレースの売り上げ」の4つのキーワードをポイントに挙げたい。まず、アーモンドアイにはドバイターフで2017年4月30日の香港GⅠクイーンエリザベスⅡ世Cのネオリアリズム以来となる日本馬の海外GⅠ制覇を大いに期待している。

高橋 利明 福島民報 記者

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たかはし としあき / Toshiaki Takahashi

1965年生まれ。子どもの頃から地元の福島競馬場に通う。1989年に成蹊大学卒業。入社2年目の1990年に念願の福島民報社競馬担当記者へ。1993年から本紙予想を担当。福島テレビ、ラジオ福島の競馬中継にも出演。永遠のアイドルホースはハイセイコー。競馬の現場記者であり続けることが目標。
 

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