2つ目は、手短に聞くこと。「これについてご意見を伺いたい」といった具合に何を目的とした質問なのか明確にする。「先日、こんなことがあって、どうのこうの……」といった前置きが長い質問はNGだ。
「混乱しないように、あらかじめ聞きたい内容をメモしておくのがいいかもしれません」(伊東氏)
3つ目は丸投げしないこと。典型は、「この前、こんなメールが来ました。どうすればいいですか?」といった相手だけに考えさせる質問だ。そうではなく、「この前、こんなメールが来ました。こういう返事しようと思っていますが、ご意見をお聞かせください」といった具合に、まずは自分で考え、その後に先輩や上司に質問するのが正解だし、考えることは自分の成長につながる。
「質問したら、必ず、その問題がどうなったのか、フィードバックは忘れずにしましょう。それが教えてくれた人に対する礼儀です」(伊東氏)
会議も「質問」で乗り切る
いくら準備が万端でも、例えば忙しそうにパソコンを叩いている先輩には話しかけづらいものだ。
「そういう時には、先輩の視界に入る場所、1メートルくらいでしょうか。そこで少し待ってみましょう。気配を感じて、顔をあげるので、そのタイミングで、『今、よろしいでしょうか』と、声をかけます。もしかしたら、先輩のほうから声がかかることもあるかもしれません」(伊東氏)
社歴が浅い若手社員にとって、会議やミーティングの席で発言するのはなかなか難しい。そこであえて「質問をする」ことをオススメしたい。
「まだ業界のことをよく理解してないので、取引の仕組みをもう少し詳しく説明してくださいますか?」「勉強不足で申し訳ありませんが、どうしてAのほうがBより重要なのでしょうか?」「うちの本業と若干、違うような気がしますが、そもそも、このマーケットを狙ったのは、どうしてですか?」などなど。
ミーティングや会議は、その会社、その部署、あるいは業界にとって最新の議題を討論する場。新人のように、会社や業界のことがわからないことを勉強している最中の社員にとっては、わからないことがあるのは当たり前。疑問点があれば、どんどん聞いても構わない。むしろ、熱心に会議の内容を聞いていると評価されるはずだ。それだけではない。
「それは『利益のためなのか』『顧客満足のためなのか』。新人から、このような『行動の理由』を聞かれた時には、理解させないままに指示していたと反省します。最近は、新人たちに、会議の席などで、『これは何のためにやっていると思う?』と逆に尋ねるようになりました」(通信・32歳)というように、新人たちの質問が、先輩たちの気づきにつながることもある。
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