東京マラソンを創った男の陸上界「創造と破壊」 ランブーム再び、陸連が取り組むRunLink構想
これらの課題に対して、RunLinkがどこまで関与し、加盟大会数を増やしていけるか。大会側の立場からすると、加盟すれば3段階評価で格付けされるため、大会の魅力を作るための自助努力は必須になる。その努力ができないところは、加盟を控えざるを得ないだろう。さらなる二極化を助長することになる可能性もある。
キーマンが見据える未来
早野氏は、大会や企業などのステークホルダーとは、将来を見据えたパートナーシップを構築していきたいとしている。
「僕らは、大会に対して品質保証しますし、レースディレクター養成をしたり、多彩な人材を育てたり、成功事例の共有を行いつつ大会の質を上げるサポートを考えています。ですが大会に口出ししません。大会主催者はオリジナルで好きなことをやっていいわけですから。つまり、努力が必要だけど、RunLinkに対してお金を払う必要はない。
しかも、ランナーの記録などのデータを引き出せたりもする。メリットは数多く提供できます。とはいえ、ビッグデータを蓄積していくには3年くらいかかると思っています。
それまでは投資期間として捉え、参画する大会や企業と一緒にプラットフォームを作っていきたいというのが、今の考え方です。
さらに、いろんなコンテンツを作っていきたいですね。たとえば、グローバル・ランニングデーに合わせて、ランニングウィークを6月にやるのですが、そこに向けて、各地でイベントを絡めながら、商品展開につなげたり。だから単純な投資期間とは言わず、一緒に作っていくステークホルダーになっていただきたいです」
早野氏のいう通り、ランニング人口2000万人ものデータが集まったら、そのデータは、企業にとって、大きな利用価値があるだろう。
このRunLinkというプラットフォーム構想が、日本陸上界の将来を担う装置となりえるかどうか。
ランナーが、大会が、企業が、このプラットフォームを使いこなせる状態になったとき、日本のランニング界は、大きな市場を形成し、次のランニングブームが到来しているのかもしれない。
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