東京マラソンを創った男の陸上界「創造と破壊」

ランブーム再び、陸連が取り組むRunLink構想

この新プロジェクトの先頭に立つのが、チーフオフィサーの早野忠昭氏だ。

JAAF RunLink チーフオフィサーの早野忠昭氏(撮影:尾形文繁)

陸連は、トップアスリートの育成・強化に注力してきたが、競技陸上の取り組みに加え、すべての人が陸上競技を楽しめる環境をつくる「ウェルネス陸上」の理念を掲げた。

スポーツ庁・経済産業省の後援、日本経済団体連合会の協力のもと、2040年までにランニング人口を2000万人にするという。

早野氏は、これまで、東京マラソンのレースディレクターとして、大会を育ててきた1人。早野氏に、RunLinkというプロジェクトに関わる意図を尋ねた。

「オリンピックやそこにつながる大会だけが陸上のように言われてきたランニングの意義を大きく変えて、カジュアル化・庶民化したのが東京マラソン。そのノウハウを、日本で唯一の陸上競技の統括団体である陸連とともに、全国のマラソン大会に展開していく」(早野氏)

RunLinkは誰にどんなサービスを提供するのか

RunLinkとは、どんなサービスなのか? 

大きく3つの側面からサービスを提供する。1つ目は、マラソン大会に対して、統一の運営基準を設け、安心・安全性を高めていくこと。2つ目は、ランナーに対し、快適なサービス提供をするために、プラットフォームを構築し、集まったデータを活用していくことだ。3つ目が、全国のマラソン大会を統治するスケールメリットを生かし、大会や企業に対して付帯サービスを提供する。具体策をそれぞれ見ていこう。

1:マラソン大会に対して、統一の運営基準を設けてラベリング

安全・安心(距離測定・給水・給食・警備など)、サービス(コースの魅力・会場へのアクセスなど)、社会貢献(チャリティ・ボランティア・普及活動・人材育成など)という3つの項目に基づき、評価基準を設け、Advanced・Basic・Cygnetと、ABCの3段階で格付けする。一定の基準を満たしていると評価された大会には、評価ラベルが送られ、その評価がランナーが大会を選ぶ基準になる。2020年より実施していくことが目標だ。

昨年12月には「日本陸上競技連盟ロードレース補償制度」を立ち上げた。これは、RunLinkの加盟大会へ提供する共通の保険サービス。バラバラだった事故に対する補償内容や範囲を、大会の規模にかかわらず、統一的に提供するものだ。これは全国の大会からのニーズが大きかったという。

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