スポーツに「情報の伝達力」が不可欠な理由 チームを強くするアナリティクスの可能性

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ちなみにSAPは、デザインシンキングを企業文化として取り入れているが、そのデザインシンキングの殿堂とも言われるスタンフォード大学のd.schoolを生むきっかけを作ったのが(多額の寄付をした一人が)、SAPの創業者の一人Hasso Plattnerだったことは意外と知られていないのではないだろうか。

データを統合し、蓄積するメリット

さて、ここまでサッカーにまつわるアナリティクスの一端を記してきたが、アナリティクスをいち早く取り入れることで“進化”したスポーツとして、バレーボール、テニス、バスケットボール、ラグビー、セーリング、バドミントン、卓球などの名を挙げる必要があるだろう。

そして、忘れてはいけないのが野球だ。『マネー・ボール』で知られる、オークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMが取り入れたセイバーメトリクスの手法や、かつて野村克也氏が提唱した「ID野球」(懐かしい……)が一時代を築いたことに、異論を挟む余地はない。

競技を超えて共通しているのは、スポーツアナリティクスには、データを統合するメリットと、データを蓄積するメリットがあるということだ。

例えば、いままで分断されていた練習と試合と怪我のデータを統合することで、何かしらの相関関係が見えてくることがあるはずだ。あるいは、育成年代からのデータを長期的に保有することで、選手育成と収支のバランスが浮かび上がってくることもあるだろう。

試合を観戦/視聴する側にしてみれば、リアルタイムのデータに裏付けされた補助線が引かれることで、(感情論や絶叫では決して伝わらない)そのスポーツの本質やエンターテインメント性に、より深く触れられるような体験が待っているのかもしれない。

あるいは、今後アナリティクスのエンジンとしてAIが力を発揮してくれば、新たなビジネスチャンスを見つける人も出てくるだろう。

今年から「スポーツにおけるゴールデンイヤーズ」がスタートするらしい。それは取りも直さず、スポーツアナリティクスのゴールデンイヤーズが幕を開けることでもある。この分野の動向に目を向けていると、案外おもしろいことが待っているかもしれない。

(TEXT BY TOMONARI COTANI
photo: Getty Images)

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