総合商社丸紅、電力出身の社長へ4月に交代

失敗経験生かし、商品軸の縦割り組織を変革

中心となっているのはIPP(独立系発電事業者)といわれるビジネスモデルだ。長期の売電契約に基づいて運営する発電所で発電した電力を売電するものだ。

電力事業は丸紅の2019年3月期の純利益の見通し2300億円のうちの約2割を占める。国内と海外23カ国で発電事業を行っており、持分発電容量は1221万9000キロワットと中国電力を超える水準だ。

15日に開いた交代会見で柿木氏は丸紅の抱える課題としてこれまでの商品を基軸にした縦割りの組織体制を超える必要性を「1番の問題」と分析。「社長のリーダーシップのもと打ち破る」と強調した。こうした組織改革の必要性に迫られているのはどの総合商社も共通だ。丸紅がどのような形で進化を図るのかにも注目が集まる。

10年後には事業がなくなってしまう

國分社長は柿木氏が後任としてふさわしい理由として実績やリーダーシップに加えて3つの要素があると説明した。1つ目は成功だけでなく失敗した経験があることだ。手掛けた中東の発電所案件ではパートナー企業が倒産。「会社に行きたくない」(柿木氏)ほど苦しい状況を同僚たちと乗り越えた経験を持つ。2つ目は柿木氏が落ち着いた性格で環境変化が激しい中にあっても冷静に判断を下せること。3つ目として、人と群れず、孤独に強いことを挙げた。

三菱商事や伊藤忠商事など大手総合商社が軒並み最高益を計上する見込みだ。資源高に加え、丸紅ではパルプやアメリカで展開する農業資材なども好調だった。だが、柿木、國分両氏とも会社の先行きを楽観視していない。それはデジタル技術の進展など経営環境が大きく変化する中で「今やっている事業は10年後にはなくなっているかもしれない」(國分社長)からだ。

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