総合商社丸紅、電力出身の社長へ4月に交代 失敗経験生かし、商品軸の縦割り組織を変革
「覚悟はできているんだろうな?」
総合商社5 位、丸紅の國分文也社長は1月7日の朝、柿木真澄(かきのき・ますみ)副社長にそう告げた。國分社長の後任として新社長になってほしいという打診だった。1月15日に開催した取締役会で柿木氏を社長とする人事案を正式決定し、4月1日から柿木社長、國分会長という経営体制がスタートする。
財務健全性は大きく改善した
2013年に社長に就任した國分氏は、財務体質強化に追われた。高値づかみとなった米穀物大手ガビロン買収などがあだとなって丸紅の財務体質が傷んでいたからだ。財務の健全性を示す負債資本倍率は2013年3月末時点の1.5倍から2019年3月末には0.9倍になる見通しと大きく改善した。
國分社長は社長在任期間を振り返って「(功績と呼べるような)大きなものはない」としつつ、「ただ5年、10年先を目指す上でのボトムラインはできた」と変革への備えを進めたと話した。
後任の柿木氏は1980年3月に東大法学部卒業後、丸紅に入社。現在、丸紅の収益柱の1つとなっている電力事業に携わり、2016年4月からは電力・プラントグループCEOとして電力事業を牽引してきた。
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