総合商社丸紅、電力出身の社長へ4月に交代 失敗経験生かし、商品軸の縦割り組織を変革
そうした環境変化に備え、組織風土を改革する試みも進めている。2018年4月から、社員の就業時間のうち15%を業務改善策や新規事業企画立案に充てることができる制度などをスタート。社内の壁を超えて新たな事業展開に結びつけるための施策を進めている。
現在稼ぎ頭の電力事業も、先行きが明るいとは言い切れない。柿木氏も「IPPは誰でもやれるビジネスになりつつある。発電資産を積み上げるだけでは時代の要望に応えきれないし、尻すぼみになってしまうのではないかという危機感がある」と語る。
英国の電力ビジネスに学べ
時代の変化に合わせてビジネスモデルをどう変化させていくのか。丸紅が2001年英国で設立したスマーテストエナジー社はそのヒントになりそうだ。
スマーテストエナジー社は自社電源を持っておらず、中小の再生可能エネルギー発電事業者から電力を買い取り、市場に卸売りしたり、法人需要家に小売りをしたりしている。柿木氏はスマーテストエナジー社のような新たな取り組みを他国へ広げることに意欲を見せる。
会見で柿木氏は注力したい事業に関する質問に対し、「チャレンジする社員に枠をはめてしまうことになる」と明言を避けた。柿木氏が丸紅をどんな姿に変えていくのか。その采配が注目される。
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