ファミマ、「TOBは大失敗」でも焦らない事情 髙柳社長が語るドンキとの提携「次の一手」

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「ドン・キホーテとユニーの両方に“フック”をかけておきたいと考えた。コンビニに加えて、GMSとディスカウントストアという2つの業態を持ち、コンビニというひとつの業態だけに集中するより、複数業界を手掛けるほうがよい」(髙柳社長)。

今回、買い付けが失敗に終わっても髙柳社長が焦りを見せないのは、ドンキとの業務面での提携戦略には差し支えがないと判断しているからだ。「資本提携はいったんかなわなかったが、元々手掛けていた業務提携については今後も進めていく」と、髙柳社長は強調する。

2018年10月、ドンキ株のTOBなどを公表するユニー・8298マートホールディングスの髙柳浩二社長とドンキホーテホールディングスの大原孝治社長(右)(写真:今井康一)

GMSの運営ノウハウがないユニーファミマは、ユニー立て直しに難航していた。しかし、2017年11月にドンキがユニー株40%を取得し、6店舗を「MEGAドン・キホーテUNY」へと転換。天井まで商品を積み上げるなどドンキ流の店舗運営ノウハウを注入すると、2019年2月期上期(2018年3月~8月期)の売上高は前年同期比190%、客数は同160%の伸びを見せた。

「ドンキ流経営」を取り込む

髙柳社長は今後、「芸風が違って面白い」と表現するドンキ流の経営手法をユニーファミマの経営の多方面で取り込む構えだ。現在、両社の間にはキャッシュレスなど金融サービスの構築やコンビニの活用方法といったテーマごとのプロジェクトチームがあり、各チームのメンバーは最低でも月に一度は集まる。経営者レベルでも、髙柳社長はドンキ創業者である安田隆夫氏や大原孝治社長と月1~2回程度会い、経営の方向感などについて意見を交換している。

コンビニが目下直面している問題点として、髙柳社長は「若い顧客が意外と少ない」ことを挙げる。この点、化粧品などを訴求し、多くの若年層を呼び込むことができているドンキ流の運営ノウハウは何としても浸透させたいところだろう。

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