「介護」に1カ月平均7.8万円かかるという現実 家族で介護方針について話し合うことが重要
自分自身が要介護にならないためには、アルバイト、ボランティア活動、趣味の集まりなど、どんなことでもいいので常に社会との接点を持ちましょう。社会参加している、他の人の役に立っているなどの意識は自分のモチベーションを高めると同時にほどよい緊張感から刺激を受けるからです。
また、食事するときも、社会とのつながりが大切で、東京都健康長寿医療センターの調べでは、1人で食事するよりも、家族や友人など誰かいる状態で食事をした方が、会話・雰囲気から影響を受けて食が進み、認知症の予防が期待できるといいます。また、よく眠ることも大切です。
体を作る食生活は大切だと分かっているものの、加齢にともない身体活動量が低下し、食事の量が減少したり、内容が偏ったりしてしまいがちです。そのことにより十分な栄養分が摂れずに要介護状態になる可能性もあります。また、健康な体を維持するための栄養素が不足すると低栄養になり、認知症、免疫力・体力の低下、筋肉量の低下、骨量の減少などを起こしやすくなるので、注意が必要です。
そうならないためにも主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物をバランスよく摂りましょう。主食はご飯、パン、うどん、そばなどの「炭水化物」。主菜は肉、魚、卵、豆腐、納豆、豆類などの「たんぱく質」。副菜は野菜炒め、サラダ、おひたし、みそ汁などの「野菜系のおかず」(いも、きのこ、海藻類を含む)。
さらに、食事の回数ですが、高齢になると次第に食が細くなり食べる量も減ってしまいがちです。そこで無理に決まった時間に3回摂らなくても、1日のうちに好きなときに食事を摂るよう心がけましょう。
体力作りも大切
いつまでも元気で要介護にならないためには、老化を予防するための体力作りも大切です。介護が必要になる主な原因は、平成28年の厚生労働省国民生活基礎調査をみると、高齢による認知症、衰弱、骨折・転倒などの「老化現象」だということが分かります。
身体の機能は、日頃から予防しておけば、維持・改善することが可能です。足腰が弱くなった、物忘れがひどくなったということを、年のせいにはせずに日頃から対策することで防げます。つまり、元気に暮らすには「介護予防」が大切なのです。
特に、高齢になると、骨の密度が低くなって、骨折しやすくなります。特に閉経後の女性は、女性ホルモンの低下により「骨粗鬆(しょう)症」になりがちなこともあり、下のグラフのように、要介護の原因「転倒・骨折」の割合に関して女性の方が男性の2倍以上も高くなっています。
予防するためには、筋力トレーニング、ストレッチ、ウォーキングなどの運動を毎日適度に行い、機能の維持、向上をはかることが大切。
また、玄関や廊下、トイレ、階段などに手すりを設置したり、扉を引き戸にする、段差のないバリアフリーを導入するなど住環境にも配慮し、転倒しないようにすることも重要です。
(取材・文/中沢文子)
毎日が発見ネットの関連記事
終わりの見えない介護の日々。私の心を支えたものは…/山田あしゅら
人より気兼ねしない?ロボットによる介護に肯定的な高齢者が増加中
3人同時の介護に更年期障害...西川ヘレンさんが激白した壮絶な多重介護生活
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら