――コアな読者は、どんな方なのでしょうか。
いちばん多いのは30代ですが、企画によってかなり変動します。10代の読者もいれば60、70代の方にも読んでいただいています。
誌面を作るときは、年齢や職業といったことよりも、どんなものが好きな読者なのか、どんな暮らしをしたいと思っているのか、というところを大事にしています。シングルなのか、結婚しているかといったことも、あまり関係ありません。そういうところからは離れた、完全に趣味の雑誌なのだと思います。
――年齢を問わないということは、親子でも読めたり?
ええ、親子で読まれる方も多いです。以前、『リンネル』で伊勢丹の売り場をプロデュースさせていただいたことがありましたが、そのときも20代後半と60歳ぐらいなど、親子でいらっしゃる方が多くいました。確かにこういうファッションは、60代の女性が着ても、20代の子が着ていてもかわいい。狙ったわけではなかったのですが、年齢は関係ないのだなと実感しました。
――『リンネル』で打ち出されているナチュラル系ファッションというのは、なかなか口で説明するのが難しいですよね……。
そうですね。「ナチュラル系」などと聞いてもピンとこない方に、どんなファッションなのかを説明するとき、いつも難しいなと悩みます(笑)。服装に気を使わないわけではなく、おしゃれに敏感ではあるけれど、その感覚の持っていき方が少し違うのですよね。モテるかなどではなく、どう心地よく着られるかとか、長く付き合えるかとか、そういった感じなのです。
以前「エシカルに近いの?」と聞かれたことがありますが、それもまた違う。環境への配慮とか、そうした高尚な精神があるものというより、リラックス感とか、気軽さというのでしょうか。
――ラクさ、心地よさということであれば、だれでも家にいるときは、ラクな格好をしているものですよね。家の中でだけラクな服、ではだめなのでしょうか。
それが、若い頃と違って、だんだんオンとオフの境目がうすくなる気がします。確かに私も20代の頃は仕事だったり、友人と飲みに行くときはしっかりおしゃれをして、一方、家にいるときはかなり気軽な部屋着、という感じでした。
でもだんだん年齢が上がっていくと、家の中でもある程度きちんとしていたいなと思う部分が出てくるのです。そうなると、基本的には一日中、それなりにおしゃれをしていることになる。着心地もよくないといけなくなりますよね。
――なるほど。24時間だから窮屈じゃいけないし、緩すぎてもいけないし。
現実問題として、セレブでもないかぎり、昼のランチと夜のディナーで服を着替えたりはしないですから。一日中着ていて、着心地もおしゃれ度も自分が満足できるものっていうようなスタイルが、いわゆるナチュラル系というものなのかと。
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