厳しい下落相場で勝つにはどうすればいいか 日経平均はNYダウ下落と円高が進むと厳しい

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「論理」も「説明」も、まして「予想」にあって、「これで完璧だ」とまで言う気はないのだが、日本株を中心として見る現在のマーケットは、
(1)外国人投資家が、従って外国のマーケットが日本の株価を決定している、(2)株価は全般的に金融環境に起因する「サイクル」に支配されている、という2つの原理で大凡説明できるように思う。

日経平均はNYダウ下落と円高が重なると厳しい

筆者の楽天証券経済研究所の同僚である香川睦氏(チーフグローバルストラテジスト)の計測によると、2010年からの日経平均を「円換算したNYダウ」で回帰すると、何と相関係数が0.987(決定係数は0.974)という凄まじく高い説明力があったという(『トウシル』掲載、香川睦「平成時代最後の買い場? 2019年の上値目処は?」より)。説明変数は「(NYダウ)×(ドル・円為替レート)」なので、NYダウの下落と円高がダブルでは、日経平均は「ひとたまりもない」ことがお分かり頂けよう。

変数Bを変数Aで回帰分析して説明力が高かったというだけなら、(1)変数AがBに影響しているのか、(2)変数BがAに影響しているのか、(3)変数A、変数Bに作用する共通の要因があるのか、(4)たまたま偶然両者の動きが一致しているのか、の可能性がある。

だが今のところ、1番リアリティのある解釈は(1)と(3)が混じっている、即ち、「海外投資家がNYダウの下げとドル安円高に見舞われたときに、日本株を売ってくると、これが日本の株価形成に対して決定的だ。加えて、NYの株価が下がるような材料は(例えば「世界景気の後退懸念」)日本株にも同時に悪材料だ」というような事情だと思われる。

もちろん、市場では売り手と同金額の買い手が居るから株価が成立しているのであり、売り買い一方の主体にだけ注目して株価の動きを説明しようとするのは通常少々無理がある。だが、国際分散投資の一環として日本株を組み入れている海外投資家は、「株価を下げてでも売りたい」し「株価を上げてでも買いたい」といった売買参加スタイルなので、結果的に株価の動きをリードすることになりやすいのだと考えられる。

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