中国、預金準備率引き下げと減税を実施へ 李克強首相が明言、景気減速受け一段の措置

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 1月4日、中国の李克強首相(写真)は、市中銀行の預金準備率の引き下げや減税、手数料削減を行う考えを示した。景気減速を受けて一段の措置を取る姿勢を明確にした。北京で昨年10月撮影(2019年 ロイター)

[北京 4日 ロイター] - 中国の李克強首相は4日、市中銀行の預金準備率の引き下げや減税、手数料削減を行う考えを示した。景気減速を受けて一段の措置を取る姿勢を明確にした。

中国政府の公式サイトに掲載された声明によると、李首相は、小規模な民間企業を支援する目的の預金準備率の引き下げを行うと表明したほか、マクロ政策でカウンターシクリカル(反循環的)な調整を強化し、さらなる減税と手数料引き下げを実施する考えを示した。

中国銀行保険監督管理委員会の当局者らとの会合で発言した。李首相はこの日、中国銀行<601988.SS>、中国工商銀行(ICBC)<601398.SS> 、中国建設銀行<601939.SS>を視察している。

会合には劉鶴副首相と肖捷・国務院秘書長も出席した。

中国人民銀行(中央銀行)は昨年、預金準備率を4回引き下げており、今年に入っても一段の引き下げがあると見込まれていた。

31日に発表された12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は、2年半ぶりに業況改善・悪化の分かれ目となる50を下回った。今後の活動をみる上で目安となる新規受注は引き続き弱く、国内企業を取り巻く環境は今後も悪化する可能性があることが示された。

人民銀行によるさまざまな支援措置に加え、政府は需要や投資を刺激するためインフラ整備向けの支出を拡大しているが、効果が出るにはしばらく時間がかかる見通し。

INBのエコノミストは今週のリポートで「経済は弱く、早期の刺激策が必要だ」と指摘した。

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