アートが伝える「戦争・テロ・自然災害」の世界 現代社会の大惨事と美術はどう向き合うのか

美術は惨事をどのように描くのか
スウーン:本展は2部構成。前半は美術が大惨事をどう描くのかがテーマなんです。

津田:瓦礫の中に破壊と創造をめぐる言葉が書かれた大型彫刻(上写真)や、9.11のテロ現場写真をジグソーパズルにした作品(同写真奥:クリストフ・ドレーガー「世界でもっとも美しい惨事」シリーズ)など、主題も表現方法も様々。興味深いですね。
スウーン:どちらも強い印象を残す作品で、感情的というより客観的に惨事を見つめる視点を感じます。瓦礫の彫刻は特定の事件を超えて破壊と創造をとらえ、パズルの連作は、芸術家が目撃したものを執拗ともいえる意思で表現し続ける。いずれも芸術の重要な姿勢です。