実家離れできない妻がいる家庭の不幸な末路 年末年始は、どこまで実家に頼っていい?

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「狭き門より入れ」という言葉は、聖書では「滅びに至る門のほうが広く入りやすく、その門から入る者のほうが多いが、しかし……」という意味に続きます。

これはことわざとして「何か事をなすときに、簡単な方法より困難な道を選ぶほうが、自分を鍛えるためには役立つ」という意味でよく使われています。私は結婚後の家庭生活も、この言葉がぴったり当てはまると思っています。

既婚者が新しく築く家庭生活で、何事も目先の「楽」を優先させ、「易きに流れる」生き方を優先させた人は、そのときは楽だったかもしれません。しかしそのような生活には向上心が欠け、人間的な成長の幅も小さく、根拠のない自信家で自己中心主義者を生む傾向があると感じてきました。

普通は自立した生活の中で失敗を繰り返し、時には挫折を味わいながら経験を積んでいく過程で多くを学び、成長し、精神的に鍛えられていくのです。成育期に、蝶よ花よと過保護に育てられた子と、自立心を養うよう育てられた子との差に似ています。

実家依存症の妻には共通点がある

当相談室には、実家べったりの生活をする妻を持つ夫からの相談が、少なくありませんが、その悩みの内容やたどるコースが大なり小なり似通っているのが特徴です。

「ヒマでベテランの親がいるのに、炊事・洗濯付きの結構な実家依存生活のどこが悪い」と言う声も聞こえてきそうですが、ここは「気楽・便利」を基準にするべきではないのです。

気楽は成長の妨げとなる場合が多く、さまざまな問題を内包しています。

たとえば“夫が妻の実家に通って、義母の上手なお料理を毎回食すのと、下手でも妻または夫が作った料理を、夫も何の気兼ねなく食す食卓のある家庭”の差を考えてみてください。

その家の料理係の腕の差にとどまらず、その後の夫婦の絆や人間関係、文化度など、あらゆる分野に影響を及ぼすのは必至です。

先に、実家依存症の妻を持った夫の悩みやたどる道に共通点が多いと申し上げました。夫婦の絆が育つ余地が損なわれ、話し合いによる問題解決能力が育たないケースが目立つのです。

その共通点とはいったい何でしょうか。

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