結果を出す人は「左脳と右脳」を交互に使う 思考の「サンドイッチ構造とキャッチボール」

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冒頭で「左脳が先か、右脳が先か」という質問をよく受けると述べたが、それに対して、コンサルタントとしての私の考えを示しておきたい。

「優秀なコンサルタントはいきなりフレームワークを持ち出さない」

いきなり左脳的に分析を始めたり、プレゼンテーションをしたりするのはあまりお勧めできない。ということで私は右脳から始めることにしている。

それは心の底から納得している「腹落ち」がコンサルティングの仕事では非常に重要だからだ。

コンサルタントの仕事はクライアント企業の真の課題を提示し、その課題を解決するために提案を行う。それはクライアント企業にとって新しい試みであることがほとんどだ。ときには全社を巻き込んだ改革となることも多い。

そのときに、人を動かしたり、組織を動かしたりするためには、まず相手がロジックを理解する以上に、感覚で納得する「腹落ち」が必要不可欠だ。

腹落ちさせるためには、まず相手に実行させたいと考えていることに対して、相手がどう思っているのかを理解する必要がある。これはまさに右脳で感じとる世界である。仮に納得していないとすれば、何が引っかかっているのか、あるいは、どうしたら納得してもらえるのかを考える。これは左脳で考える。次に実際に納得してもらうためには、彼らの感情すなわち右脳に働きかける必要がある。

新しいことをやろうとすれば、必ず想定外のことが起きる。クライアントはもともと反対でしっくりきていない、あるいは一応了承したものの疑問をもったままであるときに、想定外のことが起きれば、やる気をなくしたり、我慢ができなくなることは目に見えている。

コンサルタントは「ロジックモンスター」のように思われているかもしれないが、実際には感情に働きかけ納得感を醸成するのが、負けず劣らず重要な仕事なのだ。

突飛なアイデアが最後にはビジネスモデルに

仕事柄、多くの経営者と接してきたが、優れている、あるいは戦略性が高いなと思う経営者は、実はロジカルに結論を出すタイプではない。はじめに話を聞いていると、なんでこんな変なことを思いついたのだろうとか、あるいは明らかに論理に飛躍があるなということがよくある。

ところが、何度か会っているうちに、前回私が疑問に思った点が、彼/彼女の中で変化を遂げており、ロジカルに説明できるようになっている。そして、最後は「なるほどね」と言えるような、ロジックの通ったプランに変身していることに驚く。

ハウステンボスの再建

エイチ・アイ・エス(H.I.S.)の澤田秀雄社長などはこのタイプだ。大変なアイデアマンで、次から次にいろいろなことを考えては事業に取り入れていく。そして、最初は「どうかな?」と思うアイデアでも最後にはモノにしてしまっている。つまり、事業として成立してしまっているのだ。

ハウステンボスの再建などが典型例である。閉鎖した建物で宝塚をマネしたレビューをやる、私有地であることを利用して200円(のちに300円に値上げ)のタクシーを園内に走らせる、はたまたロボットが接客するロボットホテルまでつくってしまった。それが高じてロボットの王国という博覧会まで開催している。

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