「勘と経験」バカにする人が見逃す仕事の本質 デキる人は「論理」だけでは動かない
「勘はダメ、ロジカルシンキングが大切」は本当か
社会人になったばかりで、まだ学生気分が抜けきらない頃に、「仕事は遊びじゃないのだから、『好き』『嫌い』で仕事をするな」とか、「経験や勘で仕事をするな」と言われた記憶はないだろうか。
仕事をするうえで、何よりも大事なことはデータや数字に基づいて物事を論理的に考えることであって、間違っても勘を頼りに判断してはいけないと教わったりもする。いわゆるロジカルシンキング(論理的思考)の大切さを、説かれるわけである。
本当であろうか?
人間は私生活では、相当、勘や感覚を頼りにしている。
たとえば、冷蔵庫に残っている食品を食べられるかどうか考えるときに、料理や食材の購入経験の少ない私と息子は消費期限を見て、期限内であれば安心できると判断し、食べる。
一方で、料理経験が豊富でしょっちゅうスーパーなどで買い物をしている妻や娘たちはどうかというと、基本的に五感を大切にする。まず見た目で大丈夫かどうか判断し、次ににおいを嗅いだり、目を凝らして表面を見たり、表面を少し強く押してみたりする。場合によっては実際に口に入れて、大丈夫だとか、やっぱりダメだとか判断する。一見、非合理的で危ない判断の仕方に見える。
しかし、よく考えてみると実は合理的である。
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