怒濤の勢いで浸透、中国「スマホ決済」の実態

現金を使いたい短期滞在外国人にはとまどい

中国・杭州地下鉄の改札口では、スマホ決済の「アリペイ(支付宝)で乗車を」と大きな広告が訴える(筆者撮影)

「申し訳ありません。釣り銭の用意がないのでスマホ決済かクレジットカードで支払ってもらえませんか?」

日本でも普及しつつあるPayPay(ペイペイ)をはじめとするスマホでの電子決済。先行して広まった中国では、現金で決済する人がほとんどいない。地方都市にある5つ星ホテルのカフェで会計をしようと紙幣を渡したら、店員からこう言われた。このままいくとあと数年も経つと市中から現金が消え去ってしまうのではないか、という勢いで電子決済が普及しているのである。そこで今回はその実態に迫ってみたい。

レストランでは、店員が誰も注文を取りに来ない

中国の飲食店に入ると、店員が席まで案内してくれるものの、その後いくら待っても店員は注文を取りに来ようとしない。周りの席には次々と料理が運ばれてくるし、店員は客である私たちが座っていることを知っているものの、声を掛けてくれない。これはいったいどういうことなのか?

テーブルの角に貼られているQRコードを見てその謎が解けた。客は席に座ると、QRコードをスマホで読み、そのレストランのサイトから料理を選ぶ。まるで通信販売でオーダーするように注文内容を送信する仕組みになっているのだ。しかも、注文と同時に決済が終わるので、集金したりお釣りを渡したりといった手間が店にとっても不要だ。

どうしてこんなことが可能なのか。

レストランや食堂で、顧客はテーブルに貼られたQRコードを読み取って注文、決済を行うようになっている(筆者撮影)

秘密は、QRコードを使った電子決済サービスの応用にある。中国では遅くとも2013年にこの手のシステムが実用化されていた。

中国の電子決済サービスは2つあり、1つはテンセント(騰訊)運営の「微信支付(ウィーチャットペイ)」、もう1つはアリババ・グループ傘下アント・フィナンシャルの「支付宝(アリペイ)」からなる。どちらも使い方はほぼ同じで、支払い方、もしくは受領方がQRコードを抽出、それを読み合うことで決済は完了する。また、オンライン通販の商品購入の決済にも使用できる。

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