外国人が感じる日本の年末年始の意外な風景 どうしてこんなにマラソンが好きなんだ!

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お世話になっている剣道の先生のところでは、大みそかに何度かそば打ちを体験させてもらいましたが、そばは細く長いため「長生きできるように」という意味が込められているということを知って、日本人の考え方に触れることができたような気がしました。おせち料理の黒豆を食べるのは「まめ」に働くようにという意味が込められていますよね? これもダジャレっぽいですが、日本人らしい知恵が詰まっていると感じます。

さて、お正月といえば、もう1つ外国人にとって驚きのことが。日本人のマラソン好きです。

現在行われているマラソン競技の発祥の地はギリシャですが、そのギリシャでも日本人のマラソン好きは有名です。2004年のアテネオリンピックのマラソン競技と同じコースで行われるアテネクラシックマラソンや、アテネからスパルタまでの246キロを走るスパルタスロンには、毎年日本から多くの人の参加があるので、日本人がよく走るということは、ギリシャでよく知られています。『ごくせん』とか『恋空』とか、ドラマや映画の中でもよく走っていますよね。

新年早々朝早くからこんな過酷なことを…

そんな日本のお正月は、駅伝で始まると言っても過言ではないと思います。有名な箱根駅伝はもちろん、実業団のニューイヤー駅伝など、新年早々朝早くからテレビで多くの選手が走っている姿を見て(しかも体調不良などで途中棄権する選手もいるのを見て)、「年末年始はゆっくりするものじゃないの?」と本当に驚きました。

駅伝以外にも、ラグビーやサッカーの全国大会がテレビで放送されていますよね。日本人の夫はスポーツが好きで、このようなスポーツの大会をよくテレビで観ていますが、本当に感心します。実際にプレーしている選手たちもそうですが、私はそれ以上に選手をサポートする保護者の方々を尊敬してしまいます。いつも働いていて忙しいのに、年末年始のお休みまで子どもの応援に出かけているのに感心してます。

最近は旅行で日本に訪れる外国人がものすごく増えていますし、『NARUTO』や『BLEACH』『ワンピース』などのアニメやマンガは外国人にも大人気です。とはいえ、限られた体験や作品を通じて、日本の日常生活を知ることはそんなに簡単ではありません。

ちょっと昭和感がありますが、『サザエさん』とか『ちびまる子ちゃん』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』などの作品がもっと知られるようになったら、日本のリアルな生活を紹介する機会になるのではないでしょうか。お嫁さんの家でもケンカをせず、淡々と生活をするマスオさんのようなキャラが、意外と人気になるのではないかと密かに期待しているのですが……。

アナスタシア・新井・カチャントニ 通訳、翻訳家、ライター

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アナスタシア・アライ・カチャントニ / Anastasia Arai Katsantoni

ギリシャ生まれ。ギリシャの大学の専攻は物理だったが日本に興味を持ち、現在は通訳、翻訳家、コーディネーター、ライターとして活動。日本のポップカルチャーから伝統文化、料理まで、幅広い分野を研究。また、ギリシャで剣道を教える日本人の夫を手伝う傍ら、自らもギリシャ人に日本語を教え、日本の文化を伝えるべく奮闘中。現在はアテネ近郊に在住。ブログはこちら

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