エマニュエル:また、スマホが何か異常――たとえば急に駆け足になった、目的地にたどり着かない――とか異常を感知すると、15秒のカウントが始まり、利用者が解除しないと見守りの人物に自動でメッセージが送られる仕組みにもある。これも路上での性犯罪予防対策としてとても役に立つと思う。
電車での痴漢の対策としても使えるアプリとしては「HandsAway」がある。これは何か性犯罪の被害に遭った場合に、どんな被害に遭ったか、犯人の特徴などを被害に遭った位置情報とともに、周辺にいるこのアプリをダウンロードしている人すべてに通知することができる。通知を受け取った人は直接その被害者とコンタクトをとって、現場に駆け付けたり、どういう対処をすべきかなどの相談ができるので、1人で悩まなくてもいいので心強いんじゃないかな。
パリ内だと使っている人が少なくない
くみ : 日本にも、痴漢対策専用ではないけど、痴漢被害にも使える警視庁公認のアプリをはじめ、増えてきているみたい。
でも、フランスにもこんなにいろいろあるなんて知らなかった! でも、最後のHandsAwayはネットニュースで見て、私も試しに使ってみたことがある。1日に何度か開いてみても、パリのあちこちにつねにオンラインのユーザーがいるのがわかって、心強かった。
一度、女性ユーザーが助けを求めている最中に行き当たったので、そのユーザーのチャットを見に行った。すでに複数名が彼女とチャットしてて、「知らない男性から帰り道に声をかけられて怖かった」と数分前のできごとを報告する彼女に対し、「大丈夫?」「私は今、あなたのすぐ近くの〇〇という住所にいるから、5分以内に駆けつけられる。もしまたそいつが現れたらすぐ教えて!」などと言葉をかけていた。
近所にいて、味方になってくれる人とリアルタイムでつながって状況報告できているというだけで、すごく心強いと思った。
エマニュエル:こうやってアプリなどを使って、自ら性被害の警報や対策をできるようになったことに関連して、最近フランスで話題になった出来事があるんだけどくみは知ってるかな?