英国地下鉄、日本と違う「痴漢冤罪」への対応

いきなり警察に引き渡すことはしない

朝ラッシュ時の地下鉄は乗り切れない人も出る。車体が小さいので、余計に圧迫感を感じる(筆者撮影)

日本ではこの数カ月の間に、電車内で発生した痴漢行為が連日のように報道されている。たとえ冤罪だったとしても「駅員室へ入った段階で警察に引き渡され逃れることができなくなる」といううわさが広まったことで、線路を逃走して死傷者を出す事故に至ったこともあった。もちろん、列車に遅延が発生するため、数万人単位に影響が及ぶことになる。

痴漢行為は、報道で多く目にすることから、日本でやたら多いという印象があるが、もちろん日本だけが特殊というわけではない。ヨーロッパでも社会問題となっている。

英国でも痴漢は重大問題だ

非常に悲しい話だが、英国では連日、何がしかの性犯罪に関する事件が報道されている。それも強姦殺人など、かなり凶悪な事件も多いため、電車内で体を触ったか否か……などという痴漢行為は、毎日のニュースで報道されることはあまりない。日本と根本的に違う点として、捕まった人がいきなり拘束されたり社会的な制裁を受けたりすることがないため、日本のように容疑者が線路を逃走して大騒動に発展するということがない点も、普段こうした問題をあまり目にしない理由の一つかもしれない。

しかし、TfL(ロンドン交通局)が女性客を対象にアンケート調査を行ってみたところ、約10%の人が何らかの痴漢行為に遭遇したことがあると答えているが、それを警察や駅員へ通報した人は、その中で10人に1人しかいなかった。残りの9人は、痴漢を認識しても何もできなかった(しなかった)ということになる。通報したことで、報復を受ける可能性がある、という心配から、声を上げづらいという考えが働くためだ。

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