スズキは鈴木修会長が社長兼任へ--社内への「非常事態宣言」か

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スズキは鈴木修会長が社長兼任へ--社内への「非常事態宣言」か

スズキは10日、津田紘社長の辞任および鈴木修会長の社長兼務(11日付け)を発表した。

同日、都内で記者会見した鈴木会長によると、津田氏は春頃から体調を崩し、10月に入って悪化。今月初に辞任の申し出があったという。実際、10月12日に都内で開かれた新車「スプラッシュ」の会見当日も津田氏は鼻血を出したといわれ、記者団からの質問への対応も、いくぶん辛そうに見えた。

異例の社長兼任について鈴木会長は「いつかは若返りを図らなくちゃならないだろうと考えていたが、今回の経済の変化は突然であり、急激なマイナス変化が重なっている。
 今までやってきた経営陣が力を合わせて乗り切るしかない。危機を乗り切っていくには私が先頭に立ってやるしかないと考えた」と述べた。

今回のトップ交代に伴い、中山隆志、廣澤孝夫、田村実の3専務に代表権を持たせ、サポート体制も敷いた。

鈴木会長は「景気がよくなるまでは(兼任を)やりきらんということであろうと思う」「平時なら若返って私が居座ることもなかった(が、今は有事)」と繰り返し、危機感を強調した。高齢の会長が全権を握ることは、リスク管理の見地からしてベストの選択とはいえないはず。それを承知のうえでの今回の判断の理由はどこにあるのか--。最近、「30年ずっと右肩上がりで、『これだけの仕事をしていれば会社は伸びる』と思っている社員が多すぎる」と折に触れて発言する鈴木会長があえて“非常事態”の人事を組むことで、社内の引き締めを図った、と見えなくもない。


《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
連本2008.03    3,502,419    149,405    156,904     80,254
連本2009.03予   3,200,000    100,000    110,000     60,000
連本2010.03予   3,100,000     97,000    100,000     60,000
連中2008.09    1,719,854     60,690     68,821     34,232
連中2009.09予   1,690,000     51,000     53,600     33,500
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
連本2008.03        178.0         16 
連本2009.03予       133.0         16 
連本2010.03予       133.0         16 
連中2008.09         75.9          8 
連中2009.09予        74.3          8 
高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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