移民を「島流し」するデンマーク政府の神経 島と本土をつなぐフェリーの名は「ウイルス」
デンマーク政府が、最も歓迎されざるタイプの外国人を最も歓迎されざる場所――動物の感染症の研究所と、それに付帯する飼育施設と火葬施設が置かれた小さな離島――に収容する計画を立てている。
この計画が言わんとするところは明らかだろう。何せ島と本土をつなぐフェリー2隻のうち1隻の名は「ウイルス」なのだから。
本土へのフェリー便数は最低限まで減らす
「デンマークにおいて彼らは必要ない存在であり、そのことを思い知ることになるだろう」と、インガー・ストイベアー移民相はフェイスブックに書いた。
12月7日、デンマークの中道右派政権と右翼政党のデンマーク国民党は、100人もの外国人をバルト海に浮かぶ小島、リンドホルム島に収容する計画で合意したと発表した。対象となるのは犯罪歴があって難民申請を却下されたものの、本国に送還できない外国人だ。
リンドホルム島は面積約7ヘクタール。周辺の大きな島からは最も近い地点でも3キロほど離れており、フェリーの便はあるがその数は少ない。収容された外国人は、1日に1回はセンターへの出頭が義務づけられ、それを怠ると収監されるという。
「フェリーの便数は最低限まで減らすつもりだ」と、国民党の広報担当者は地元テレビ局に語った。「できる限り手続きを煩雑にして料金も高くするつもりだ」。
収容施設は2021年に開所の予定で、今回の合意では4年間で1億1500万ドル相当の予算を充当することになっている。
交渉を担当したクリスチャン・イェンセン財務相は、リンドホルム島は刑務所ではないと述べたものの、送り込まれた者が島外で宿泊することは認められないだろうと述べた。