移民を「島流し」するデンマーク政府の神経 島と本土をつなぐフェリーの名は「ウイルス」

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政府の独立機関であるデンマーク人権研究所のルイース・ホルク副専務理事は、この政策がデンマークが果たすべき国際的義務に反しないか「非常に注意深く」事態を見守っていくと語った。

合意は予算案をめぐる交渉の一部として結ばれた。国民党は毎年、予算案への賛成票と引き換えに移民・難民の規制を求めている。

「島流し」は違法な監禁にあたるか

ほかの多くの欧州諸国と同様に、デンマークでは2015~2016年に中東・アフリカからの移民が急増、それに呼応する形でポピュリズム的な外国人排斥の動きが高まった。

政府は人権に関する国際条約に抵触しないぎりぎりまで厳しくする移民法の改正を公約している。

法律の専門家は、今回の「島流し」計画が違法な監禁に当たるかどうかを判断するのは時期尚早だとしている。ただし、1980年に欧州人権裁判所から無効との判断を下されたイタリア政府の計画に類似しているという。

今回の計画は、難民申請が受け入れられなかった外国人の生活を耐えがたいものにし、デンマークからの退去を促すという政府の方針をさらに推し進める政策だ。

犯罪歴のある難民申請者はデンマーク国内での就労が認められていない。難民申請が却下されたものの送還のできない外国人に与えられるのは、自分で食事を作ることもできない住まいと食料、1日につき約1.2ドルの手当だが、当局に協力しなければ手当は凍結される。

ベアーテ・ロン・ホーンベック元移民相は島流し計画をまるで「ジョーク」で、サッカー選手が相手ゴールにボールを蹴り込んだようなものだと酷評した。「この提案からは何も生まれない」とホーンベックは新聞のコラムで述べた。

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