投資信託の「基準価額」とはいったい何なのか

12月に投資をしようと思っている人へ

投資信託を購入する際の指標は、個別株とは違う。投資信託を買うときには3つのポイントに着目したい(写真:kikuo / PIXTA)

株式投資の鉄則は「安く買って、高く売ること」です。しかし、「言うは易し行うは難し」なのは、経験者ならば誰もが実感していることでしょう。

個別株を購入する際、銘柄の現在の株価が本来の企業価値よりも低い場合、「割安」という投資判断を行うことがあります。しかし、投資信託の場合はどうでしょうか。1つの尺度は「基準価額」ですが、これ自体は「割安・割高」の判断基準にはならないと言われています。

そもそも、基準価額とは何でしょうか。これは投資信託の1万口当たりの値段を表すものです。運用会社によって毎営業日1回算出され、運用実績に応じて上下に変動します。利益を得る方法は株式投資と基本的には同じで、基準価額が値上がりしたところで売却すれば、その差額分が利益となるのです。では、なぜ投資信託を選ぶ際、基準価額だけで「割安か、割高か」を判断できないのでしょうか。その点を、これから解説していきます。

買いが増えても、株価のようには上がらない

現在の株価の「割安・割高」を示す指標として、「PER」(株価収益率)などがあります。PERとは、株価を1株当たりの純利益で割ったもので、その数字が小さいほど、割安ということになります。

一方、基準価額は、投資信託が運用しているすべての金融商品の総額(純資産総額)を、投資家が保有する口数(総口数)で割ったものにすぎません。株価であれば需要と供給の関係によって値が決まるため、買い(需要)が増えれば株価も上昇します。しかし、基準価額は、買いが増えれば純資産総額と同時に保有する口数も増えるため、値が上昇するとは限らないのです。市場における需要と供給ではなく、投資信託が保有する資産の増減によって、基準価額の値は変化します。

基準価額は、複数の資産(株や債券など)から算出される値であり、単純に「割安・割高」を示すものではないのです。ですから、基準価額自体が割安・割高の判断材料にはなりません。その代わりといってはなんですが、取ったリスクに対してどれだけのリターンを得られたかという投資効率を示す「シャープレシオ」などの指標が存在します。

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