子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」 「押し付け」を変えるための「6つの提案」

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筆者から6つの提案がありますので、最後にお話したいと思います。

1:勉強よりも人との交わりを重視する

そのために、キャンプや集団行動する場、グループ学習を経験する環境を作っていきます。

2:勉強は特にやらなくてもいいと伝える

ただし、勉強は役立つこともあるので、自分で必要と思えばやればいいと伝える。この背景には次のようなことがあります。「子どもは基本的にあまのじゃくであるため、親の言うこととは逆行する」。

3:中学受験をさせることはやめる

今の状況下での中学受験は、お子さんにとって危険なシナリオです。なぜなら、いただいた文章からわかるお子さんの状態を察するに、今勉強に対してスイッチが入る段階とは到底思えないからです。勉強にまったく関心がない現在の状態で受験勉強を強制すると、形だけの勉強をやることを覚えたり、さらに失敗したときに親のせいにする可能性があります。「自分は本当はやりたくなかった。でも親の言うとおりにやったのに失敗した」と。ただし、本人がやりたいというのであればもちろん応援します。

4:片付けができないことを気にしない

本来は片付けができたほうがいいが、おそらくお子さんは現段階では難しい。したがって、そのまま放置して自分が困る状況を作るか、親が援助する。

5:自分を律することを期待しない

基本的に小学校5年生で自分を律することができる子は少数ですが、山本さんのお子さんの状況から察するに、現状の家庭内においては難しいでしょう。期待をすると、その期待に合わせようと親が作為します。すると悪化します。ですから、期待することを一切やめてみる。

子どもは指示されると素直に動かない

6:親は、子どもの行為ばかり見ずに、自分の人生を楽しむことを考える

おそらく山本さんのご家庭内では、親から子どもへの、指示、命令用語が頻繁に使われていることでしょう。確かにできていないことがたくさんあり、それが気になるために発される言葉でしょうが、そのような用語を使用して素直に動く子はいません。

なぜこのように子どもの「できていない部分」に意識が向いてしまうかというと、親自身が自分の人生を楽しむことに意識がフォーカスできていないということが背景にあったりします。すると、その結果、子どものネガティブな部分にばかり目がいくようになります。

山本さんのお気持ちはよくわかります。親として通常、そのように子どもの将来を心配するということはあるでしょう。しかし、現状、うまくいっていないということは、やり方が間違っているのです。それをさらに強化しても悪化するだけなのです。ですから思い切って、これまでやってきたことを変えてみてください。これまでとは違った親の対応に、きっと子どもに変化が出てくることでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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