皇室とそのお金事情、今さら聞けない超基本 池上彰が皇室典範と皇室経済法から徹底解説
11月30日に53歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまが、長女・眞子さまの結婚問題や大嘗祭について苦言を呈され、大きな話題となりました。
戦後の皇室は「菊のカーテン」などと呼ばれていました。それぐらいヴェールに包まれた存在であり、国民が皇室の内側のこと、ましてや日常生活を知ることはできませんでした。しかし現在は「開かれた皇室」ですから、皇室のことをある程度、知ることができるようになりました。
そもそも皇室とは何か?
では、そもそも皇室とは何でしょうか。国語辞典を引くと「天皇とその一族」などと説明されていますが、そうすると、どの範囲までが「一族」に含まれるのかが気になります。
宮内庁のホームページを見ると、「皇室は、天皇陛下と皇族方で構成されています」と書かれています。「天皇陛下と皇族方」とあるのは、天皇は、皇族には含まれないからです。ややこしいですね。公式のように表現すると、「皇室=天皇陛下+皇族」となるのです。
拙著『池上彰の「天皇とは何ですか?」』でも詳しく解説していますが、この皇族の範囲は、1947年に皇位継承のルールを決めた法律、「皇室典範」で次のように定められています。
皇后(こうごう)、太皇太后(たいこうたいごう)、皇太后(こうたいごう)、親王(しんのう)、親王妃(しんのうひ) 、内親王(ないしんのう)、王、王妃 及び女王を皇族とする。
聞き慣れない言葉もあると思うので、1つずつ解説しましょう。
皇后はわかりますよね。天皇陛下のお妃(きさき)が皇后です。太皇太后は、先々代の天皇の皇后、皇太后は先代の皇后のことです。
親王は、天皇陛下と皇后の間に生まれた皇子(おうじ=息子)と、皇子とそのお妃から生まれた男子の皇孫(こうそん)のことをいいます。そして皇子、皇孫のお妃が親王妃です。
内親王は、天皇陛下と皇后の間に生まれた皇女(こうじょ=娘)と、皇子とそのお妃から生まれた女子の皇孫のことです。
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