皇室とそのお金事情、今さら聞けない超基本 池上彰が皇室典範と皇室経済法から徹底解説

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王と女王は、「三世以下の嫡男(ちゃくなん)系嫡出(ちゃくしゅつ)の子孫」で、男は王、女は女王だと説明されます。これは一読しただけでは、どういう関係かがわかりませんよね。三世というのは、曽孫のことです(一世は子、二世は孫)。つまり、今までの天皇から見て、男系の曽孫以降の子孫が王と女王ということになります。そして、王のお妃が王妃になるわけですね。

皇族に姓や戸籍がないのはなぜ?

さあ、それでは皇族は、私たち一般の国民とどういう点が違っているのでしょうか。

わかりやすい違いとしては、皇族には姓(苗字)がありません。「秋篠宮」「常陸宮」は、天皇から与えられる宮号なので、苗字ではないのですね。

逆に皇籍から離れると一般国民となるので、姓を持つことになります。例えば、2005年に黒田慶樹さんと結婚した紀宮清子(のりのみや・さやこ)さまは、結婚後、黒田の姓を持つようになりました。

また、天皇と皇族には戸籍や住民票はありません。その代わりに、歴代の天皇・皇后と皇族の身分や系譜を記録する「皇統譜(こうとうふ)」というものがあります。

細かく言うと、皇統譜には、天皇と皇后に関する事柄を記録する「大統譜(たいとうふ)」と、皇后以外の皇族に関する記録をまとめた「皇族譜(こうぞくふ)」の2種類があり、それぞれ正本(せいほん)が宮内庁書陵部に、副本は法務省に保管されています。なぜ、天皇や皇族には姓や戸籍がないのでしょうか。これも日本の歴史を知らないとわかりません。

古代日本では古墳時代を通じて、大和政権という政治連合が成立していきます。そして、5世紀末から6世紀になると、大和政権は、大王(おおきみ=のちの天皇)を中心に、氏姓(うじかばね)制度と呼ばれるしくみをつくっていくのです。

氏姓制度も歴史の授業で習いますよね。「氏」というのは、血族グループの呼び名です。蘇我氏、葛城氏、物部氏といった豪族がそうです。

大王は、それぞれの氏に対して、姓を授けます。姓とは、大和政権内の地位を表すもので、「臣(おみ)」や「連(むらじ)」などがあります。「臣」は、大和政権を構成する有力豪族に、「連」は政務や祭祀(さいし)など、特定の職業にたずさわって大和政権を支える有力豪族に与えられた姓です。

このように、古代の大和政権では、大王がそれぞれの氏に姓を授けるというしくみがつくられていきました。したがって支配者である大王には、氏も姓も必要なかったのです。

この大王がのちに天皇と呼ばれるようになり、皇族の範囲が定まっていくにつれて、皇族も天皇と同様に、氏や姓を持たなくなりました。そして朝廷の支配者ですから、戸籍を持つ必要もありませんでした。皇籍から離脱するときには、姓を与えられる点も現代と同じです。

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