「GAFA」支配にモヤッとする人が知らない本質 つまるところ彼らの目指すのは金儲けなのだ
そのような市場では必然的に、トップレベルの製品の価値は急騰し、劣った製品の価値は下落するだろう。労働市場でも同じだ。超優秀な人間のためには、その能力を発揮できる優秀な企業が何千と用意されている。しかし、もしも十人並みなら、世界中の何百万人もの同レベルの求職者たちがライバルになり、賃金が下がることすら考えられるということだ。
デジタル技術の進歩と四騎士の優勢が生んだ歪み
そこでギャロウェイ氏は「個人が成功するために必要な内面的要素」として「心理的成熟」「好奇心」「当事者意識」「大学に行く」「ブランド」「友人」など、成功するために必要な多くのことを紹介している。
だが、超優秀な人間にしか門戸が開かれない状況下において、これらはアイロニーとして受け止めるべきものでもあるだろう。どうやっても、富が運のいい少数の人間に流れていくことは事実であるのだから。いわば、最大の問題点がそこにある。
こうした状況をギャロウェイ氏は、「デジタル技術の着実な進歩と四騎士の優勢、“イノベーター”階層はケタ違いの生活をするに値するという思い込みから生まれた歪み」だと表現する。
もちろんそれは社会にとって危険なことだが、かといって、それが衰える兆候はまったくない。問題はそこだ。この状態が続けば、中産階級は空洞化し、それが社会のバランスをさらに崩すことになるのだから。
では、どうしたらいいのか?
それは誰にもわからないことで、ギャロウェイ氏も明確な答えを持っているわけではない。しかしそれでも、四騎士を理解することは絶対に必要だと強調してもいる。その「理解」こそが、デジタル時代の先行きを予測し、そのなかで経済的な安定を築いていくための力となるということである。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら