「相場は月始の取引が3日だと荒れる」は本当? 米中首脳会談後の日経平均はどうなるのか
この2万2486円を抜くと、10月の下げ幅の半値戻し価格である2万2710円、そして全値戻しの2万4000円台へと期待が膨らむ。また右肩下がりだった25日移動平均も上昇に転じており、空売り比率も9月28日以来の40%を割れた。何かが大きく変わって来た。
今回の「3日新甫」の意味とは?
さて、この12月は3日から相場がスタートする。江戸時代から言われている、「『2日新甫』(月の最初の立会日が1日ではなく2日から始まること)は荒れやすい」という格言があるが、今月は3日から始まるので、「3日新甫」。さらなる波乱も予感されるが、波乱は何も下げだけではない。上げの大波乱も考えられる。
12月の過去28年間の月別成績を見ると、日経平均が17勝11敗で第2位、日経ジャスダック平均も同じく17勝11敗で第3位。外国人動向に至っては25勝3敗と買い越しが28回中25回を占めるように、「株価に強い月」となっている。
さらに月中で見ると、東京証券取引所再開の1949年5月16日から現在までの69年間の統計における12月の日ごとの騰落傾向を見ると、例えば5日が最悪の41.07%(23勝33敗)で月の前半は「勝ったり負けたり」だが、後半になると26日=71.43%(40勝16敗)、28日=70.91%(39勝16敗)となっている。
以前の大納会は、官公庁の御用納めと同日の28日だった。なので、前述のように大納会(28日)とその前々日(26日)が最も強いということは、「掉尾の一振」が証明されていることになる。そして今年は、日柄の関係で昔通りの28日が大納会となり、歴史的な期待も高まる。
株価の支えとなっている日銀のETF(上場投資信託)買いの予定額は「年間6兆円ペース」だが、残り額は3000億円を切っており、1回あたり700億円強とすると、あと4回分しかないと言われる。
しかし、日銀は11月22日にETFを買い入れたが、当日前場のTOPIX下落率は-0.06%で、買い入れ条件前場終了時点で-0.5%と言われる基準値からは大きく上回っていた。にもかかわらず、買い入れを実施したのは「年6兆円を上回るペースでの買い入れがあり得る」と言うシグナルではないか(実際、日銀は7月末に「買い入れ額は上下に変動しうる」と規定を変更している)。ちなみに2018年9月末の日銀保有ETFは取得価額21.7兆円、時価28.9兆円で評価益は7.2兆円となっている(岡三証券調べ)。
また11月第3週の外国人は、現物先物合計で2週連続の売り越しとなったが、過去の統計などをもとにすると、買い越しに転じるはずで、これからの動向が期待される。さらに米中関係とともに株価に影響を与えていたアメリカの長期金利も、ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「打ち止め近しの講演」で若干の低下を見せているが、米ドルが大きく売られているわけでもない。相場は新しい適温相場の「適温」を探しているのかもしれない。
これらのことを総合して、今週の日経平均予想レンジは2万2200円~2万3000円とする。
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