日経平均の先行きに「強気」になれない理由 企業業績予想は保守的、株価も安そうだが…
日経平均は「想定通りの戻り」をみせている
これまでの当コラムでは、先行きの日経平均株価のシナリオとして、「10月11日のザラ場2万4448円ですでに年内高値形成済み→10月の下落後、11月までの戻りはあるが10月高値抜けず→2019年央2万円前後」といった見通しを提示してきた。
また、前回のコラム「株価はそろそろいったん戻って再度下落する」では、そうした株価シナリオは、2015~2016年の展開、すなわち「2015年6月の2万0868円で終値ベース高値→9月の1万6931円まで下押し→その後2万0012円と再度2万円台を回復するが、6月の高値抜けず→2016年に入って急落、底割れ」と似ているのではないか、と述べた。
実際の日経平均は、終値ベースでは、10月30日の2万1149円が底値となり、2万2486円まで戻してきた(11月8日終値、9日現在は2万2250円)。2019年にかけての大幅下落前の戻り、といった筆者のシナリオ通りの動きである。
戻りの背景は主に以下の2つだ。(1)10月の下落のなかに、いわゆるアルゴリズム取引による機械的な短期筋の株価指数先物売りや、それによる一般投資家の心理悪化による投げ売りなど、売り過ぎと解釈できる部分があった、(2)「まだ」足元の企業収益が堅調であるにもかかわらず、株価が急落したため、予想PER(株価収益率)などでみて割安さが強まっていた、という点が挙げられる。
企業収益については、足元2018年4~9月期の決算発表が継続中だがすでに、8割強の企業が発表を終えている。日本経済新聞社の集計によれば、現時点で同期実績については、7.7%増収、12.4%経常増益と、悪いどころか好調だ。通期の会社側見通しは、3.7%増収、6.8%経常増益とかなり伸び悩む計画になっているが、日本企業の常として、自社の収益見通しは慎重に過ぎると考えている。
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