「ゴミ清掃芸人」が見た格差社会の強烈な断面 実は「ゴミを大量に出す人」ほどお金がない?

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作業するほうとしては、面倒くさい一面もあるが、戸別回収の優れているのは、ゴミを出す人に責任感が生まれることだ。ゴミを汚く出せば、当然この家のゴミの出し方は汚ねぇなと思われてしまうので、きれいに出す。

金持ち地域に「パチスロ台」はまずない

戸別回収の地域はやはり分別率が高い。分別しないで、家の前にゴミを置かれたままだとその家の人は困る。

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ゴミも特定されるので、シュレッダー率も高い。そして、あまり前もってゴミを出すとカラスが荒らしに来るかもしれないので、8時直前に出すことが多い。そこそこ金持ちのいる地域では、清掃車の音を聞いて門から出てくる。わらわらとマダム主婦たちが集まってきては直接、僕ら清掃員に渡す。

これが良い悪いではなく、僕はこの地域の人たちは皆、専業主婦なんだなと感心した覚えがある。専業主婦ということは、旦那さんの稼ぎがそれなりになければ成り立たない。

金持ち地域では、粗大ゴミも、生活に必ずしも必要のない物が出る。健康グッズだ。少し前はやたらとロデオボーイが出ていた。今は落ち着いて、次にワンダーコアがよく出るようになった。健康グッズにも流行があるんだと、清掃員になるまで思いもつかなかった。ぶら下がり健康器もそうだが、まずこれらの器具を置く場所があるんだなと思う。

ちなみに、そうでない地域の粗大ゴミでたまに出る特徴的な物で言えばパチスロ台。パチスロが好きすぎて、家でもやっているのだろうか、これらが金持ち地域から出ることはまずない。

滝沢 秀一 ゴミ清掃員、お笑い芸人

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たきざわ しゅういち / Syuuichi Takizawa

1976 年、新潟県生まれ。1998 年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012 年、お笑い芸人の仕事を続けながらゴミ収集会社に就職。オンラインコミュニティ「滝沢ごみクラブ」を立ち上げ、環境にまつわる啓発活動にも携わる。2020 年、環境省「サステナビリティ広報大使」に就任。また2023 年にはクーリエ・ジャポン「世界が注目した日本人100 人」にも選出される。『このゴミは収集できません』(白夜書房)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)他、著書多数。2023年、フジテレビ「THE SECOND」にて準優勝。

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