「ゴミ清掃芸人」が見た格差社会の強烈な断面 実は「ゴミを大量に出す人」ほどお金がない?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、この地域の人が皆、飲まなくてはならない状況だと考えるとそれもそれで怖い。

いずれにせよ、肉体的によほどハードな仕事かブラック企業に勤めている人が多いのかと想像してしまう。

貧すればゴミを大量に出す

大量に出すといえば、そうでない地域のゴミの出し方も特徴があって、一部ではあるが、ゴミを一気に大量に出すのも特徴だ。金持ち地域では大量にゴミを出すことはめったに見られない。

いちばん印象的だったのは、ペットボトル回収時に70リットルの袋パンパンにコーラの詰まった袋が15袋も出されていたことだ。

過度の排出は規定で持っていけないので、清掃事務所に電話をして置いていったが、捨てる時に背負い投げでもしたのではないかというほど、乱雑に置かれていた。なんでペットボトルを背負い投げするんだよと心の中で思いつつも、想像してゾッとした。このゴミが部屋の中にあったということだ。見たところその集積所があったアパートはそんなに広くなさそうだった。

70リットル袋、15袋分のペットボトルが部屋にあったら部屋の中はペットボトルだらけで、ペットボトルの中を軽く泳げるくらいの多さではないか。わざわざペットボトルをペットボトル工場に運ばなくても、ここに各所のペットボトルを運んでペットボトル工場にすればもろもろ手間が省けるのにと思うほどの量だ。のんきに今ならそう思えるが、その時はパニック。清掃員も計算して回収しているので、予定外、予想外の量が出されるとその分清掃車に詰め込めなくなるからだ。

それはさておき、ここでのポイントは同じ人がゴミを一気に大量に出すということだ。そして大量というキーワードの中で特殊ではあるが、こういった例もある。アイドルとの握手券付きCDだ。これらが大量に捨てられているのもそうでない地域の特徴だ。よくそれらのCDが林などに破棄されているというニュースを聞くが、清掃業界でもたまにお目にかかる。

次ページ「テニスボール」はお金持ちの証拠
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事