「週10回、月7万」カレーを食べる25歳の正体 カレーインスタグラマーの知られざる世界

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フォロワーが多いメリットは、カレー店から「今度こんなカレーを出します」とメッセージが来たり、ほかのカレーマニアとつながることで、おいしいカレーに出会う機会が増えたことだという。そんなさと2氏に、この先の目標を聞いてみた。その答えは、ただのカレー好きを超越したものだった。

「カレー屋になりたいというのはまったくありません。やっぱり食べ歩くほうが断然楽しいので。目標は、カレーになることです。カレーというのは、なんでも知っていて、なんでも生み出せて、粘土のような存在です。こう言っている時点で、自分はカレーになれていません。だから今はいろいろ食べて、カレーとは何かをただ知りたいんです」

アパレル店を運営しながらカレー活動

2人目のカレーインスタグラマーは、岩佐孝人氏(36)だ。インスタネームは「currybusy」。さと2氏を超える9000人強のフォロワーを抱える。岩佐氏の本業は、アパレルショップの運営。古着と新品の洋服、そしてスニーカーなどの小物を都内の実店舗とウェブサイトで販売している。

9000人強のフォロワーを抱えるcurrybusyこと、岩佐氏(撮影:今井康一)

岩佐氏がこの日訪れたのは、東京・神田に軒を構える「ベンガルカレーファクトリー」。日本ではまだ珍しいバングラデシュカレーを専門とする店だ。出てきたのはナマズカレーや干し魚のカレー、バングラ風オムレツなどをワンプレートに盛ったもの。

岩佐氏はインスタ用にカレーを撮影後、店主の勧めもあってスプーンを使わない“手食”で食べ進める。完食後、店主との会話がはずみ、結局45分ほど店に滞在。訪れた店には、オリジナルで作成した「currybusyステッカー」を置いてもらうように頼む。

神田「ベンガルカレーファクトリー」を訪れた岩佐氏。撮影にも熱が入る(撮影:今井康一)

彼がカレーにのめり込むようになったのは、ある出会いがきっかけとなっている。

「10年ほど前に、神田の本石亭というお店と出会ったことです。ここの店主さんが激しくカレーを食べ歩いていて、お客さんもそういう方々が集まっていました。そこで情報や刺激をもらい、カレー熱に火がつきました」

岩佐氏のカレー活動は、現在は仕事の関係で少し落ち着いているものの、多い時はやはり週10回ほど食べ歩いていた。ごはんを少なめにしてもらい、店をはしごすることもあった。「新しいものを見つけると気になってしまい、食べずにはいられないんです」と話す。

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