日テレ「イッテQ!」騒動に見えた致命的ミス 「文春砲第2弾」より深刻な初動対応のまずさ
では、日本テレビは初動対応でどんなミスをしたのでしょうか?
11月7日に「文春オンライン」で配信され、「週刊文春」が発売された8日、日本テレビは文書を発表。そこには「今回の企画の成立について」と掲げられていました。つまり、「ここが論点だよ」と強調した書き方だったのです。
しかし、その内容は、「今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません」という“現地”に責を求めるものでした。
さらに、「現地コーディネート会社からの提案では、水の上の一本橋を自転車で渡る催しは、東南アジアのテレビ局でも取り上げられるなど各地で人気となっている催しとの事で、番組サイドでも資料映像等を確認した上で、企画決定に至りました」と経緯を明かしたものの、やはり“現地コーディネート会社”に責を求めるような文章でした。
論点を決める基準が世間ではなく自社であること、繰り返し取引先である“現地”に責を求めるような書き方をしていること。真偽はさておき、「責任逃れ」「とかげのしっぽ切り」と思われるような文書は、世間の反感を買ってしまいました。
「謝罪」でなく「釈明」への違和感
ただ日本テレビは、「すべてを“現地”のせいにするより、一部でも非を認めておいたほうがいいだろう」という多少のバランス感覚を持ち合わせていました。
それが、「この催しについて、コーディネート会社から、ラオスでは村単位で開催されていると説明はあったものの、今回放送した会場での開催実績を十分に確認しないまま作業を進めてしまいました。結果、この会場で初めての開催であった『橋祭り』を、放送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました。この点については、番組として真摯に反省すべき点があったと考えております」というコメント。
このコメントを読んで、「自社の非を認めて立派だな」「これ以上責めるのはかわいそうだからもういいだろう」と思う人は少ないでしょう。その理由は、「誤解を招く」「この点については」「反省すべき」という他人事のようで責任逃れの印象が強い、謝罪のときに使ってはいけないフレーズが含まれていたからです。
裏を返せば、これらのフレーズを使ったのは、この文書には「謝罪」ではなく「釈明」という狙いがあったからでしょう。実際、「お詫び」などの謝意を表すものではなく、「反省」というフレーズを選んでいることからも、その狙いがうかがえますし、「今後の『祭り』企画については十分に確認の上、誤解を招く事が無いような形で放送致します」と早々に企画の継続を発表したことにも驚かされました。
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