日テレ「イッテQ!」騒動に見えた致命的ミス 「文春砲第2弾」より深刻な初動対応のまずさ
しかし、今やテレビマン以上に一般人のほうが一つ一つのフレーズに敏感であり、裏側にある狙いを読み取ることに長けている時代。この点で、「日本テレビは一般人を見くびっていた」と言われても仕方がないでしょう。
一般の人々による視線は、さらに鋭いものがあり、そこでも日本テレビはミスを突かれることになってしまいます。
ラオスをなめているのではないか?
日本テレビが文書を発表したあとに、一般の人々が一斉に声をあげたのは、ラオスに対する謝意が見られなかったこと。「もし現地コーディネート会社が嘘をついていたとしても、ラオスの人々を巻き込んで、勝手に祭りを作ってしまったことは事実であり、謝意を表さないのはおかしい」という常識的な視点を欠いていたのです。
「ラオスという国と、そこに住む人々をなめているのではないか?」「相手がアメリカやイギリスだったとしてもこの対応ができるのか?」と言われても仕方がありません。「業界を問わずリーディングカンパニーほど、大企業(今回のケースで言えば大国)の動向には敏感な反面、それ以外の中小企業(中小国)には鈍感で、自らが思っている以上に上から目線で接してしまう」という状態を世間に見られてしまったのです。
文書に話を戻すと、日本テレビに「謝罪」の狙いは薄かったとしても、「反省」の意志を示している以上、必要不可欠だったのは、「誰に」を明確に書いておくこと。その点、最も反省を示すべきラオスと、次に反省を示すべき視聴者に向けたコメントがなかったことで、批判を受けてしまったのです。
さらに、競合他社であるフジテレビの「直撃LIVEグッディ!」や、テレビ朝日の「モーニングショー」が、今回の騒動を大きく採り上げ、ラオス関係者たちのコメントを紹介し、コメンテーターたちが糾弾したことで、批判の声はさらに大きくなっていきました。
その後、11日に「イッテQ!」の放送があったものの、報道に関する言及はなし。人々のモヤモヤが晴れないまま、14日に文春砲の第2弾が報じられたことで、さらなる危機に陥ってしまったのです。
日本テレビは「週刊文春」に、「『カリフラワー祭り』や先にご指摘をいただいた『橋祭り』を含め、『祭り』企画において、番組の意向でコーディネート会社が主催者に提案したり、実質的な主催者となってイベントとして開催したケースがありました」と大筋で報道を認めました。
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