25歳「ムダなモノ」を作って稼ぐ彼女の生き方 面白さを追いながら新旧メディアの中を泳ぐ

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「よしもとという“大人”がかかわってるから、罵倒されても『続けなきゃ』って考えられるんだと思います。もし1人でやってて『全然面白くない』ってコメントされたら、そのままアカウント消して引きこもっちゃうかもしれません(笑)。

今回の書籍も、よしもとが企画を通してくれました。1人でやってたら途中で心が折れちゃってたと思います」

ウェブメディアやSNSで作品をアップしていると、コメント欄やリプライ(返信)などで痛烈な悪口を書かれることがある。対処法はさまざまあれど、結局クリエーターは一方的な罵声に耐えていかなければならない。

「クソリプ(クソみたいな返信)でモチベーションを失っちゃう人って多いと思うんですよ。それでも立ち向かっていかなきゃならないじゃないですか。

これからはもっともっとウェブメディアで仕事をする人が増えると思います。それぞれが悪罵からモチベーションを守る方法を持たないと、才能が潰されちゃいます。気をつけないといけないですね」

台湾で初の海外個展開催へ

よしもとから、

「台湾で個展をやらないか?」

と声をかけられた。

よしもとは2017年、台湾に「華山Laugh&Peace Factory」をオープンさせた。渡辺直美、きゃりーぱみゅぱみゅ、野性爆弾くっきーなど、そうそうたるメンバーが展示イベントを開催してきたが、たまたま誰もイベントを開催しない期間ができた。

「『せっかく空いてて、場所代はタダだから個展をやらないか?』って言われました。もちろんやりたいですけど、お金はありません。場所代がタダでもいろいろお金はかかりますから。よしもとの提案でクラウドファンディングでお金を集めることになりました」

3日ほどで目標金額の100万円に達した。最終的に140万円集まった。

「140万円でも、全然お金は足りませんでした。設営も自分でやって、それでも赤字になった分はよしもとに出してもらいました」

台湾の人たちに向けてフェイスブックで広告を出したところ、予想以上に広まったと感じた。

広告を見た人たちが興味本位で集まってくれた。体験コーナーでは、お客さんがおのおの写真を撮って、それをSNSにアップする。そしてそれを見た新たなお客さんがやってきた。

9日間の開催で、集客は2万5000人を超えるという大成功を収めた。

「ゼロからつくる無駄な部屋in台北」は9日間の開催で、集客は2万5000人を超えた(撮影:藤原麻里菜)
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