仮に、アベノミクスによる金融緩和強化が引き起こした、株高と円安(円高修正に過ぎないが)によって、バブルが起きているだけというならば、その手本となり先行して金融緩和の強化を続け、世界の株式市場を先導してきた米国株で、バブルのリスクが高まっているかどうかという視点も必要だろう。
米国も日本も、今の状態はバブルではない
もちろん、バブルかどうかという判断はいろいろな尺度や考えがある。だが、最高値更新を続ける米国で、「今の株式市場はバブルだ」という見方は、金融市場では多くない。新FRB議長に就任するイエレン氏も、「PER(株価収益率)の観点などからみても、バブルとは言えない」と明言している。
結局、「金融緩和強化が、バブルのリスクを高める」という話は一見わかりやすい。だが、それは「程度次第」である。「アベノミクス発動」から1年たったわけだが、それは、数年遅れで、ようやく米国に追いつく格好で金融緩和の強化が実現した。金融緩和で先行、株価上昇が続いた米国でバブルのリスクが小さいのだから、株高が遅れて来たと位置づけられる日本で、1年程度大幅な株高になったからといって、バブルのリスクが高まっているとは言い難い。
日本で、ようやく株高が始まったことは、アベノミクスで「脱デフレ」と「経済の正常化」が期待できるようになり、米欧株価とのギャップを埋める過程で、起きたと素直に評価できるのだ。今の日本は、バブルでもないし、その副作用を心配する段階でもないのだから、それをとりあげてアベノミクスを批判するのは時期尚早だ。
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