また、2つめのポイントとして、学習効果を高めるために、受講管理・アラート管理を徹底した運用メカニズムを構築すべきであるという点だ。本社側は、受講者のアクセス履歴や得点をモニターしたうえで、低得点者を上司にエスカレーションする、クレーム数などの業務上のKPIの変化を把握するなどの仕組みを通じ、習熟度合をチェックすることが重要だ。以下の家電量販チェーンの事例を見ると、「わかりやすく楽しいコンテンツをテコに、いかに業務習熟スピードを上げる仕組み・体制を築けるか」がポイントであることがおわかりいただけるだろう。
終わりに
ゲーミフィケーションは一時的な流行でも、単なる飛び道具でもない。「パーツ」として取り入れるのではなく、本稿でその一端を紹介したように、経営戦略、人材育成戦略にしっかり組み込んで活用していくことが重要だ。今、多くの企業が、グローバルにどこでもオンデマンドで研修を受講できるグローバル・ラーニング・プラットフォームの構築に乗り出している。その際、言語の壁を超える“ゲーミフィケーション”の要素を織り込むことができれば、極めてROIの高い投資となるだろう。
さらにスーパーマリオブラザーズを生んだ、日本の誇るコンテンツ産業が加われば、日本企業のグローバル人材育成にも新しい展望が広がるはずだ。「人材育成×ゲーミフィケーション」はまだ端緒に就いたばかりであるが、その秘めた可能性は計り知れず、目が離せない手法といえる。
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