「親が子を念ずるほどには、子は親を念じない」、これは私が住む近所のお寺の今月の標語です。
「親思う心に勝る親心」、そして私たちの地域だけかもしれませんが、「親子の情は順送り」というのもあります。
これは「親を思う心と親心は同じでも、新しい家庭を築きながら仕事にも熱中せねばならない子世代と、それをほぼ卒業した親世代の、情の表現方法や時間に差があるにすぎず、特にその子どもが薄情なわけではない。子どもも親になればわかる。子が親に寂しい言動をしても親が理解しなさい」という意味だと、私は多くの親子をみてきて理解するようになっています。
息子さんの人生の決定権は息子さんにある
「孝行したい時に親はなし」と後悔する人の多いことも、思い出してください。
「馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」
あなたは息子さんを、水飲み場まで連れて行く親の責任は果たしました。その水をどのように飲むかは馬次第で人が代わって飲むことができないように、結婚するのは息子さんで親ではありません。
息子さんの人生の決定権は息子さんにあります。結婚前の同棲も、昔のように大騒ぎされなくなった時代ですが、それには私もいまだにあなたと同じ考えで、もろ手を挙げて賛成できません。しかし親への裏切り行為だとは思いません。
息子さんは仲の良かった母親ですから、最後は親は理解してくれると信じたのです。「子に勝てる親はいない」と切り替えましょう。親という漢字は、「木の上に立って見る」と書くのですね。結婚式をあなたの関与なしに進めよというのは、決して酷ではありません。あなたは見守るだけでいいのです。
ただし見守り方も、いろいろです。息子に寂しい言動があっても、「嫁が悪い、順送り」とひたすら耐え、あきめる親がいますが、これは見守りではありません。
私の周囲には、「息子は嫁をもらうまでの息子(結婚後は他人のようだ)」と嘆く人が本当に多いですが、そのように言う人も「聞き入れられようが、効果がなかろうが、親としての苦言や助言・希望は必ず一度は伝える」という人も結構います。
そしてそのような親子は一歩後退二歩前進のように、気まずくなったりけんかをしても、親と子ども夫婦共々に変革や成長があり、良い親子関係を築いていっている人が多いのです。
息子夫婦と疎遠になることからは、何も生まれません。今後はあなたの考え方・出方次第で、いくらでも良い関係に戻れる息子さんだと感じました。複雑に考えて悩まず息子さんを信じ、「子どもの幸福は親の幸福」と祝福してあげましょう。
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