「ヨックモック」日本人が意外と知らない源泉 実はスウェーデンにある小さな町だった
「道中が長かっただけに、ヨックモックの街に降り立った気分はえもいわれぬものがあった。ヨックモックという言葉の響きが私にとって、なぜかすがすがしい心あたたまる印象を呼び起こすのは、この時に受けた郷愁にも似た感じがあるからだろうか」
ヨックモックの地で彼が出会ったのは、真心がこもった、家庭的で温かみのある手作りのお菓子と、ホスピタリティあふれるおもてなしだった。
「これこそが洋菓子の真髄」と感じた藤縄氏は日本へ戻り、スウェーデンのJOKKMOKKという綴りを「YOKUMOKU(ヨックモック)」と変え、見ても聞いても日本人に馴染みやすいようにアレンジし、正式な社名にしたのである。
ヨックモックは北極圏にある小さな町
日本のお菓子ブランドの社名となった「ヨックモック」は、スウェーデンの首都ストックホルムから約800km北にある。北極圏にある人口約5000人の小さな町だ。
冬の最低気温はマイナス20度にもなる。冬はオーロラツアーや、400年続く北欧最大のウィンターマーケットを訪れる観光客でにぎわい、夏は美しい川や湖でのウィンタースポーツも盛んだ。地名の「JOKKMOKK」はサーミ語(北欧のラップランドに住む民族サーミ族の言語)で「川の曲がり目」を意味する。水力発電を主産業とし、今もスウェーデンの全電力の25%をヨックモックが供給しているという。
スウェーデンの町「ヨックモック」と日本の「ヨックモック」は、今も交流を続けている。
1983年には藤縄利康(会長)がJOKKMOKKを訪問、1997年にはJOKKMOKKの観光団が、日本のヨックモック社を訪れた。その後もカードやクッキーの交換を続け、2013年7月には、渡邊太郎前社長(現・相談役)がJOKKMOKKを訪問、同年11月にはJOKKMOKK観光局長がヨックモック本社を訪問するなど、アットホームな関係を続けてきた。
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