「ヨックモック」日本人が意外と知らない源泉 実はスウェーデンにある小さな町だった
有名なお菓子のブランド「ヨックモック」。全国に188店舗を展開する1969年に設立した日本の洋菓子ブランドだ。サクッとした食感の葉巻状クッキー「シガール」がロングセラーで、贈り物にふさわしいクッキー缶やケーキなどを販売している。
そのブランド名の由来が、スウェーデンの小さな町名であることを知る人は、レアかもしれない。スウェーデン菓子専門店ならともかく、なぜ日本の菓子ブランドが、スウェーデンの町を社名にしたのか。そこには創業者の思いがあった。
ヨックモックの創業者・藤縄則一氏は、菓子卸を営む一家に生まれた。お菓子に親しんで育った則一氏は、1934年に兄の秀夫氏とともに製菓業「藤縄商店」を創業。戦時中や戦後は、原材料の確保に苦労しながらも菓子を作り続けた。兄・秀夫氏が死去し、則一氏は1946年に1人で「藤縄商店」を立て直す。1951年にはチョコレート製造業に取り組んだが、1960年代後半になり、年間を通じて安定して販売できる焼き菓子を中心とした事業へと転換した。
創業者・藤縄則一氏とヨックモックとの出会い
見聞を広げるため、世界中を旅していた藤縄則一氏は、ある時地図を眺めていた。すると、ふと目にとまったのがスウェーデンの北部にある町「JOKKMOKK(ヨックモック)」だ。独特のあたたかな響き。不思議とその音とリズムに惹かれた則一は、新たに設立する会社の社名にすることを視野に、1969年にその地へと足を運んだ。
スウェーデンの首都、ストックホルムから北へ約800キロ。藤縄氏はのちに、当時のことをこう書き残している。
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