AKB48「大西桃香」、動画配信で覚醒した612日 朝5時半から始まるシンデレラ・ストーリー
きっと、最初は一番にレッスン場に行くのと同じテンションで、朝5時半の配信を始めたのだろう。違いは、レッスン場の扉を開けたときには誰もいないかもしれないし、褒めてくれるのもスタッフ数人だろうが、SHOWROOMには待っていてくれるファンがいたこと。そして目に見える形でファンが増えていく。大西さんにとっては、毎日が「よっしゃ!」の連続だったに違いない。
そして、過去最大の「よっしゃ!」は、大粒の涙とともに訪れた。今年6月16日に行われた第10回AKB48世界選抜総選挙。過去4回、圏外だった大西さんが、2万6363票を獲得、38位にランクインしたのである。
「今年は100位からの発表で、そのときから不安で泣いていました。今年は票数が全体的に多かったから、70位ぐらいで『ああ、もう無理だな』と思って。それから開き直って、チーム8のみんなを祝福しようと思い、名前が呼ばれるたびに『おめでとう!』ってお祝いしていたときに、自分の名前が呼ばれたので、もう本当に信じられなかったです。それから2、3カ月、実感もわかなかったです」
大西さんのもうひとつの夢だった「総選挙でのランクイン」は、朝5時半からの配信を始め、612日目に現実となった。
写真集では実家の部屋をおさめた
その翌々日からは写真集『夢の叶えかた。』(10月3日発売)の撮影がスタート。初めての本格的な撮影で「夢見ごこちみたいな感じ。ずっとふわふわしていました」と大西さんは振り返る。
写真集のページには、部屋の中でタブレットにほほ笑みかけているカットがある。実はこの写真は、ある日の朝、5時半からの配信を終えた後に撮影された。
「私が住んでいる実家の自分の部屋です。服も衣装じゃなくて、SHOWROOMで配信した後の寝巻のまま。自分の部屋にあんなに大人の人がいるのは初めてでした(笑)。ファンの方に、いつもこうやって配信してるんやって、思ってもらえたら嬉しいですね」
朝5時半からの配信は、今年の8月13日にいったん休止となった。今年の4月から8月まで自宅に帰れない日々が続くほど仕事が忙しくなり、配信を続けることで体調管理が難しくなっていたそうだ。それでも時間を夜に移し、毎日の配信は継続している。9月12日には700日を突破した。
「楽しいから、時間があるときは、気づいたら1、2時間経ってるんですよね」
駆け抜けてきたこの2年間で、立場や環境は大きく変化したが、やはりSHOWROOMが自分のホームなのだろう。800日、900日、1000日……連続配信がいつまで続くのかはわからない。それでも、大西さんは毎日言葉を掛け合い、親密な関係を築いてきたファンとともに歩み続ける。「よっしゃ!」を重ねながら。
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