「アメとムチ」は実は人のやる気を破壊する

「営業成績が下がったら××」の脅しは逆効果

やる気を育てるには、インセンティブはいらない(写真:metamorworks/iStock)
頑張りたいのに、やる気が湧かない。いくら熱心に教えてもらっても、気持ちが乗らない――。そんな経験は、誰にもあるでしょう。
でも、やる気が湧かないのは、あなたのせいではありません。これまで誰からも、「やる気の出し方」を教わってこなかっただけなのです。心理学者で「やる気」研究の第一人者でもある植木理恵氏が、やる気を育てる秘訣についてこう語り始めます――。

気まぐれなアメとムチが、人間をダメにする理由

一般に、お金や褒め言葉など、相手が喜ぶようなインセンティブを与えて「やる気」を引き出そうとすることが広く行われています。

たとえば、よいことをしたらアメを与え、悪いことをしたらムチを与える。そうやって高めることができるやる気のことを、心理学では「外発的モチベーション」といいます。「仕事には興味はないが、おカネのために頑張る」「外回りをしたくはないが、上司にしかられるからやる」といった気持ちのことです。

自分の心の「中」に興味や関心といった頑張る理由を持っているのではなく、お金や叱責のような、自分の心の「外」に理由が存在して発生するモチベーションのこと。こうしたやる気の引き出し方は、シンプルで即効性があることは確かです。

ただしこの外発的モチベーションを効果的に発揮させるには、TPOが重要となります。心理学の研究によると、次の3つのポイントを押さえることがカギといわれています。

・いつ → ただちに
・どこで → 多くの人の前で
・どんな場合に → 思いどおりの働きをしたらアメ、逆の場合ではムチ

これらの「心掛け」と「テクニック」を忠実に実行すれば、怠けたり、ぐうたらされたり、ダラダラされたり、ということはなくなるはずです。目の前にニンジンを吊るしてハッパをかけるわけですから、とりあえずは走ってくれます。

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