福西崇史も参戦!南葛SCの負けられない戦い キャプテン翼の葛飾にJリーグクラブの野望

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そのころ、岩本氏もサッカー関連の出版社であるフロムワンの代表取締役を退任し、高橋先生とともに株式会社TSUBASAを立ち上げていた。「GMとして南葛SCを本気で手伝ってもらえないか」という高橋先生からの話で、2017年の年末にGMとして入ることが決まった。

プロ契約で加入したブラジル人選手のデイビッソン(写真:©NANKATSU-SC提供)

ブラジル人2人が加入した2017年には、年代別の日本代表経験もありJリーグでも2014年まで活躍していたGKの小針清充氏を選手兼コーチで迎え入れた。東京都リーグというカテゴリーでGKコーチがいるクラブはまれである。

「小針を獲得したのは『GKが大事』という高橋先生の認識があったと聞いています。われわれにはスクールもあり、GKを育てていきたいという思いがあったからだと思います。選手兼任ですがこれまでは試合にはほぼ出ていません。今シーズンはリーグ戦が始まる前のカップ戦の1試合だけ出ただけです」

プロとアマでいちばん大きな差があるのがGK

引退した小針氏に4年ぶりに本格的な復帰を求めたのには理由がある。

「GKはプロとアマの差がいちばん大きいポジションだと思っています。うちには、大河原と加賀という2人のレベルの高いGKがいますが、経験という部分では、小針に分がある。昇格トーナメントでは経験も必要と判断して復帰を打診しました。夏の終わりからずっとトレーニングしてもらっています。11月の関東社会人サッカー大会では出場する予定です」

どのチームも補強ポイントの最初はGKだという。本格的にプロとしてやっていたGKが、アマチュアの世界にはほぼいないのだ。

柴村直弥や安田晃大、カベッサという近年までJリーグでプレーしていた選手はどうやって補強したのか。

「GMになって最初に合意できたのがDFの柴村です。柴村は東京都1部リーグのライバルであるCriacao(クリアソン)でコーチ兼選手でしたが、その前のシーズンまでヴァンフォーレ甲府の選手でした。

Criacaoでは軸だったので、ダメもとでオファーをして1度は断られたんです。ですが、彼も引退後にやりたいことがあり、そのビジョンの話もした結果、南葛SCへの加入が決まりました」

3人目のブラジル人となったカベッサの獲得は「センターフォワードでブラジル人が欲しい」という高橋先生の希望もあり、実現した。カベッサは、昨シーズンはJ3のカターレ富山、2013年にはJ2の松本山雅でプレーしていた選手である。

カベッサは能力は非常に高いがJリーグではマッチできずにいた。「悔しいから日本で結果を出したい。失敗したまま終わりたくない」と話していると聞き即答で獲得。コンディションをちゃんと整えればJリーグでも通用するレベルの選手だという。

「以前の所属クラブとは比べ物にならないくらいの低い年俸や環境でもすごく前向きにやってくれています。結果として今シーズンの得点王にもなりましたし、1部で優勝できた大きな要因はカベッサが活躍してくれたから。富山で試合に出ていなかったときに、大学生との練習試合などに出ていたので、アマチュアのリーグに迅速に順応できたと思います」

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