41歳新婚、モテ系女性が思い出す元カレたち 華麗なる恋愛遍歴の最後に選んだ夫とは…

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「私に勇気がなかったからです。もしどちらかについて行ったら違う人生を歩んでいたのでしょう。今とどちらが幸せなのか、比べることはできません」

実家とのつながりを強く保ちたい里奈さんだが、一方では「芸事」に打ち込む男性に心引かれる傾向もある。30歳のとき、知人の紹介で会って電撃的な恋に落ちたのが相撲取りだった。

「タニマチの方を通じての紹介です。彼にとっては私が初めて付き合う女性で、すごく真剣に向き合ってくれました。でも、相撲界で生き残るのはとても大変です。十両にもなれなかった彼は引退を決めたときに地元の関西に戻って地方公務員になることを目指しましたが、2度目の挑戦がダメだったときに、私たちも別れることになりました。彼からは『一緒に地元に帰ってほしい』と頼まれましたが、私が東京の仕事を辞めてついて行ったとしても生活が成り立ちません」

34歳のときに相撲取りの彼と別れた里奈さん。大学卒業以来、大手化学メーカーで正社員総合職として長く働いている。周囲には優秀な理系男子が多い。同僚には目が向かなかったのだろうか。

「私はある役員の秘書業務も兼ねていました。その役員が社内ではパワハラで有名で、毎日のように怒鳴っているような人でした。私はお気に入りなので攻撃はされませんが、仕事中は1分1秒も気を抜けません。仕事が終わっても飲みに連れて行かれてお酌させられることがありました。そんな私は役員と一体だと思われているのか、同期の男の子からも敬語を使われるようになり、恋愛対象を見つけるような環境ではありません」

そのうちに里奈さんは社内外の既婚者だけから言い寄られるようになった。全員が年上で、60代の人も少なくない。役員秘書にはありがちな現象なのかもしれない。

「誘われたら食事にはお付き合いしますが、私はお酒が飲めないことを理由にして早く帰るようにしていました。露骨に断ると仕事がやりにくくなるので難しいんです」

実家と新卒入社の大企業、どちらからも離れられない

裕福な実家と新卒入社の大企業。「長いものには巻かれろ」主義だと自認する里奈さんはどちらからも離れることはできないのだ。

里奈さんは関東地方の中高一貫校に通っていた。親しい女友だちは今では全員が専業主婦だ。結婚相手は商社マンやキャリア官僚。子どもはすでに中学生や高校生になっている。

「私から見たらすべてを手に入れている人たちですが、逆にうらやましがられることもあります。今から働きに出ようと思っても、パワーポイントすら使えないので事務職の仕事はほとんどないそうです。私もブランクを作ってしまうと同じ待遇で再就職は難しいでしょう。結婚しても今の会社を辞めるつもりはなくなりました」

関東地方のできるだけ実家近くに住む、今の会社での仕事を続ける、不妊治療を受けてでも子どもはつくる。アラフォーに突入してからこの3条件をかなえられる結婚をするためには広い市場に出るしかない、と里奈さんは感じた。37歳のときだった。

婚活アプリやお見合いパーティを利用する中で、清潔感のある写真とLINEでの穏やかなやり取りで好感を持ったのが達也さんだ。小売業で部長職をしているともプロフィールに書かれていた。

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