本土の経済特区の進展が、香港を廃れさせる?
繰り返すが、中国経済が順風満帆で問題がない、と言っているわけでは決してなく、壮絶に無駄な公共投資とバブル、そして金融危機後の大規模金融緩和の副作用としての不良債権とシャドーバンキング問題があるが、それに対するバッファーも有しており、一部で面白おかしく書かれているような破局と崩壊が起こるわけではない、ということである。
また中国政府は上海に経済特区をつくるなど経済の開放を一段と進めており、海外資金の流入も長期的に進展していくだろう。そしてそのことは、実は香港などの特別行政区にとって大きな脅威になっている。
香港は中国経済への窓口として、中国本土の成長と、発展していない資本市場のアービトラージで繁栄してきた都市だが、将来外国人投資家が中国本土の証券市場に信任を高め、外貨で自由に人民元や中国本土のAシェアを買えるようになったら、香港の相対的地位が低下していくことだろう。
すでに中国への返還から20年近くが経ち、中国本土との完全統合まであと30年足らずとなった香港。そうなったらついに私の毎年3割くらい上がっているマンションの家賃も値下がりするかしら、とほのかに期待しつつ、香港の自宅からシンガポールに飛び立つ19日は火曜の夜であった。
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