ちなみに要注意といえば、インバウンド客が押し寄せる大阪では、安さ重視でホテルを選ぶとその集団に巻き込まれることも。うっかりチェックイン時間が重なると、なかなか手続きの番が回ってこないし、エスカレーターもいっぱいで乗れない。わざわざ観光に来ていただいて本当にありがたいのだが……。立地がよくて価格が安いと感じるホテルは、外国人にとっても手ごろなのだと心得よう。
おしゃれすぎるインテリアで室内迷子
限られたスペースに効率よく設備をきっちり納めているビジネスホテルは、狭い住環境が当たり前の日本らしい産物とも言える。設備のレイアウトにもかなり“特徴”が出る。
たとえば、室内に入ってすぐのドア横スペース。ここはクローゼットになっていることが多いのだが、あるホテルでは丸ごと鏡台(ドレッサー)コーナーになっていた。明るい蛍光灯もつくし、コンセントもあってドライヤーも使える。女性客はもちろん、身だしなみに時間をかけたい男性にもうれしい設備かもしれない。
かと思えば、先日宿泊した部屋では、がっかりな体験をした。室内は明るいベージュ系インテリアで統一され、シンプルでスタイリッシュな印象。
ところが、冷蔵庫が見当たらない。普通はデスクの下に配置されているものだが、ただ椅子があるだけ。まさか、「冷蔵庫がないホテル?」と探したところ、なんとドア横のスペースで発見できた。
広くはないビジネスホテルの部屋とはいえ、ベッドに寝そべり、テレビを見ながらビールでも、という際にいちいち冷蔵庫をあけにドア横まで行くとなると、細かいようだが、筆者にはちょっと不便に感じてしまった。
さらに、その冷蔵庫の上に木製の棚があるのだが、湯沸かしポットがぽつんと置かれてあるだけで、コップ類が見当たらない。戻って見てもデスクの上にもない。そんなことがあるだろうかとあれこれ探し、もしやと気づいた。一見、ただの棚板にしか見えない部分に触れてみると、そこが引き出しになっており、中にコーヒーカップやコップ類が隠れていたのだ。表面に取っ手もなく引き出しに見えない造りがおしゃれすぎて、まるで気づかなかった。
それなりに名のあるホテルチェーンで外国人客も泊まっていたのだが、彼らがこの引き出しに気づいてくれたかどうか。「日本のホテルにはグラスもカップも用意がなかった」と、愚痴られないといいのだが。
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