社内政治に弱い人がわかってない6つの能力 会社も社会も「綺麗事」だけでは回らない

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このように手段を選ばず、使える手は何でも使い、多少荒っぽくても人を動かすようなものが必要になります。つまり、「権謀術数」とも言うべきものです。一般にはダーティかつ冷たい印象が強いこの言葉と「社内政治」は切っても切れない関係にあります。それが社内政治を「腹黒い」などと忌避させる最大の原因にもなっています。

しかし、自分の利益はもちろん、チームの利益のため、さらにそれが会社の利益のためになるのであれば、否定されるべきものではないはずです。

また、自分を陥れようとする勢力に対して、純粋無垢な「正義」、理想論だけで対抗するのは心もとないはずです。一般のビジネススキルとともに、そうした社内政治力をバランスよく身に付ける必要があるのです。

社内政治力を発揮するための5つの作戦とは?

では、この6つの社内政治力を発揮するためには、具体的に何をすればいいのでしょうか? それは、次の5つの作戦を使うのです。応用したり、組み合わせたりすることで、社内政治力は格段に向上します。

その基礎は、戦国時代の戦いを参考にしていますが、現代の組織においても十分通用するものです。

◎同盟作戦:多数派工作

利害が対立する相手の思うように進まないよう、社内の主要部門のキーパーソンを味方にして、対立相手の仕事に簡単に協力しないように連携して行動する作戦。

◎諜報作戦:情報を使っての誘導

対立相手のダーティさ、ずるさ、自己保身などのネガティブ情報のうわさを社内に意図的に流す。これにより、対立相手の評判を下げ、無力化する。また、相手のNOという立場をYESに誘導するための情報を意図的に流す作戦。

◎囲み攻め:会議において数で押す

相手を数で圧倒する攻め方。自分の社内人脈、利害が一致する他部門のキーパーソンを仲間にし、自分サイドは複数、相手は単独になるように会議を設定し、自分の意見に同意してもらい、相手を多数の力で圧倒する手法。味方がなく、他部門に囲まれた相手は反論し続けることが難しくなる。

◎兵糧攻め:相手のリソース供給停止

相手が何かをする際に必要とする資源(金=経理部門、人=人事部門)の供給先と共同し、金や人、その他の経営資源の供給を止める、または減少させる手法。リソース供給が滞った相手は動くことが難しくなる。

◎水攻め:権力者から高い圧力を加える

会社の権力者(社長、役員)などから命令してもらって相手を動かす。最も破壊力が高いので水攻めと呼ぶ。対立を解消する力は抜群だが、何度も使うと相手から恨まれ社内で嫌われて、そのうち返り討ちにあうので多用はすすめない。

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